湖北 | 事業再生ADR審理に関する業務指針を公表

2024. 1. 8

湖北 | 事業再生ADR審理に関する業務指針を公表

   湖北省高級人民法院はこのほど、「高品質な経済発展のための破産事件の事業再生ADR審理を規範化する業務指針」(以下「事業再生ADR指針」という)を公布した。これにより、事業再生ADR(裁判外紛争解決手続、Alternative Dispute Resolution)と法的再生手続きとを連続させるメカニズムが確立でき、再生費用の節減、再生効率の向上、更生成功率の向上が期待できる事業再生ADR制度の利点を最大限に発揮して、窮地に陥っている事業再生価値がある企業の救済を円滑化し、成功率を高めることができる。

   事業再生ADRとは、企業が法的整理に入る前に債務者と債権者、出資者などの利害関係者とで債務や債権などの問題について交渉し、事業再生計画案に合意することによって、過剰債務に悩む企業を救済する制度である。
   今回公表された「事業再生ADR指針」は5部計39条からなる。事業再生ADRの認定、開始、計画推進、事業再生ADRと法的再生手続きとの連続、及びその他のプロセスについて明確に規定している。「事業再生ADR指針」の最大の注目点は、地方法院が実際に取り扱ってきた優れた経験と成果を反映して策定されたことで、主に以下の点にある。

1. 事業再生ADR認定の具体的な基準を統一する。
   事業再生ADR認定を適用する前提条件は、事業再生の理由、再生の価値、再生実現可能性に効果があるとする識別である。このうち、事業再生の理由としては「市場の影響により中核事業の操業停止を余儀なくされた」など6件、再生の価値としては「国の産業政策や業界の発展見通しに沿ったものである」など5件が挙げられている。一定の再編実現可能性を判断する基準としては「通常の業務を再開できる再生基礎がある」などの3つの状況が含まれると規定した。

2. 事業再生ADRの手続きに一定の法的強制力を与える。
   これにより、事業再生ADR手続きを開始した後は、湖北省管轄範囲で生じる強制執行中止と財産保全に法的効力があることが明確になった。同時に、事業再生ADR期間における利息付債権の利息を計算する規定も明らかにした。

3. 事業再生ADRに関わる制度的コストを節減する。
   特に、事業再生ADR案または法廷外再編計画に対して司法効力を確認する証明書の発行を法院に求めた場合に、法院は最高人民法院の関連規定を参照してこれを支持し、企業再生と事業再生ADRのコストを最大限に抑えることを支援する。

   「事業再生ADR指針」の公布は、法治化したビジネス環境をさらに進めることに貢献し、企業破産における事業再生ADR手続きについて明確な規範的指針を提供するものである。これにより、企業が直接に法的再生手続きに進む際に潜む再生の失敗による清算リスクを効果的に回避でき、企業再生の成功率が高められる。


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