製品の執行標準(GB規格など)の表示について

2023. 1. 29

製品の執行標準(GB規格など)の表示について

Q: 製品の執行標準(GB規格など)は包装にのみ表示し、取扱説明書には表示しなくてもよいのか?

   A:結論から言えば、製品の執行標準を包装にのみ表示して、取扱説明書には表示しないことも可能である。ただし、具体的には、実際に執行している標準の内容から判断する必要がある。実務操作においては、両方に表示しておくことが考えられる。

   まず、「中華人民共和国標準化法」(以下「標準化法」という)第27条において、企業が執行する標準に対する「公開」の義務を規定している。即ち、「企業は採用している強制標準、推薦標準、団体標準、企業標準の番号と名称を公開しなければならない」。

   この「公開」義務に対し、国もまた、いくつかの法律にて相応の罰則を設定している。

   例えば、「標準化法」第38条では、「企業が本法で規定するその執行標準を公開していない場合、標準化行政主管部門は期限付きで改正するよう命じる。期限を過ぎても改正しなかった場合には、標準情報公共サービスプラットフォームに公示する」と規定している。また、「中華人民共和国製品品質法」第40条では、「販売された製品に次のいずれかの状況がある場合、販売者は修理、交換、返品の責任を負わなければならない。製品を購入した消費者に損失を与えた場合には、販売者は損失を賠償しなければならない。……(二)製品又はその包装に表示している採用しした製品標準を満たしていない場合」と規定している。

   次に、「公開」の形式については、「標準化法実施条例」第24条にて「企業は生産において採用している国家標準、業界標準、地方標準または企業標準について、製品またはその取扱説明書、包装物に標準コード(代号)、番号(編号)、名称を表示しなければならない」と規定している。即ち、法的には、企業は採用している標準を、少なくとも製品、取扱説明書または包装物のいずれかに表示しなければならない。

   ただし、個別具体製品に対しては、上記の原則的な法律規定に加えて、製品に関連する執行標準のなかに関連情報の表示についての要求があるか否かを考慮する必要がある。例えば、製品の執行標準の規定において取扱説明書に執行標準を記載しなければならないと明確に記載されている場合には、この規定に従わなければならない。

   例えば、「GB/T 5296 消費品使用説明」の一連の標準では、取扱説明書に執行標準を表示すべき要求が記載されている。この「5296」シリーズの標準は強制標準だったが、2017年から推薦標準に変わった。そのため、企業がこのシリーズの標準の執行を選択していない場合は、特に注目する必要はないが、このシリーズの標準を執行すると選択した場合には、取扱説明書に執行標準を表示しなければならない。

   情報媒体が多様化している現在、公式サイト、オンラインショップのページ、ミニプログラムなどの新興媒体に製品の執行標準を表示することを検討する企業もある。しかし、これらの媒体で執行標準を表示することが、上述の法律や標準規定で要求している表示義務に代わるものではないことに注意する必要がある。もちろん、実務操作においては、条件が適うのであれば、製品やその説明書、包装物の全てに執行標準を表示しておくことがより安全で便利な方法だろう。
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