中国税関のAEO制度とは?

2021. 2. 23

中国税関のAEO制度とは?

Q:多くの輸出入貿易関連企業(外資企業を含む)より、「中国税関のAEO制度とは何か?」、「実務上では、中国税関のAEO企業となった場合、どのような優遇政策を受けることができるか?」という質問が寄せられています。

A:AEOは「認証経営者」(Authorized Economic Operator)の略称であり、AEO制度は世界税関組織が貿易の安全、及び簡素化を図るために導入した管理制度です。中国税関総署は2014年10月に「税関企業信用管理暫定弁法」を公布し、当該制度を導入しました。「弁法」によると、認証企業とは中国税関が認定した経営者であり、中国税関は関連国際条約、協定等に基づき、他国や地区の税関とAEOの相互承認を行い、認証企業に対し、通関での簡素化措置を与えます。

現在、中国税関は企業を高級認証企業、一般認証企業、一般信用企業、信用喪失企業の4種類に分類し、分類別によって、通関でのレベル別の簡素化措置を享受することができます。簡素化措置は、輸出入検査率の低減、通関手続きの優先処理、関税額あるいは税関の規定金額を下回る担保金等を含みます。高級認証企業は、さらに担保金の免除、検査頻度の低減、輸出貨物が税関監督管理区に到着する前の税関申告、税関は企業の為に担当者を指定、AEO相互承認の国あるいは地区の通関簡素化措置、国家関連部門による連合信用奨励措置、不可抗力による国際貿易中断した場合、回復後の優先通関、及び税関総署が規定する他の管理措置を申請できます。信用喪失企業として認証された場合、高級認証企業及び一般認証企業の簡素化措置を受けられない他、検査頻度は他の企業より高くなり、経営加工貿易業務は全額の担保を提供する必要があり、且つ国家関連部門による他の信用喪失連合懲罰措置を受ける可能性があります。

実務上、企業がAEO認証を申請するには、「税関認証企業標準」に適合する必要があります。具体的には、内部統制、財務情報、コンプライアンス及び貿易安全といった4大事項が標準となります。社内審査を通して標準をクリアできれば、登記地区の税関管理部門に申請することができます。
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