北京 | 特許権侵害訴訟の執行に履行保証金制度を創設

2024. 4. 16

北京 | 特許権侵害訴訟の執行に履行保証金制度を創設

   北京市高級人民法院のWeChat公式アカウントによると、北京市第一中級人民法院は、最近、中国初の履行保証金制度を創設した。これにより、特許権侵害民事事件の執行段階において被執行者が当該特許権は無効であると当該特許権の取り消しを請求した場合に、判決で定められている執行をどうするのかという問題が効果的に解決された。

   T社とY社の間で意匠権の侵害をめぐる2つの紛争事件において、判決ではY社はT社の意匠権を侵害しておりT社に賠償すべきであると認定した。しかし、判決の効力が発生した後にY社はT社の2つの意匠権のそれぞれについて特許再審委員会に無効審判を請求した。判決の執行段階において、当該2件の意匠特許は特許再審委員会により無効とされ、執行申請人(T社)は当該2件の無効審決に対して行政訴訟を提起する意向を示し、被執行人(Y社)は執行の中止を請求した。こうした経過の中で、Y社が被執行人となっている情報がすでにY社の正常な事業活動に影響を及ぼしていた。Y社はもともと信用評価が高く、Y社が関与している被執行事件はこの2件のみであった。紛争事件の中断が長引けば長引くほどY社の企業信用への影響は大きくなる状況にあった。そこで、人民法院が調停を行い、被執行人であるY社がまず履行保証金として事件資金を全額人民法院に振り込み、最終裁決後に資金の帰属を決めることで、執行申請人であるT社の合意を取り付けた。

原文リンク:
クライアント
専用ログイン

ユーザーIDとパスワードを入力してください。 ご質問がございましたら、弊所の顧客担当にご連絡くださいますようお願い致します。