最高人民法院が「民法典を徹底して実施する全国人民法院工作会議の摘要」を公布
2021. 4. 23
最高人民法院が「民法典を徹底して実施する全国人民法院工作会議の摘要」を公布

最高人民法院は2021年4月6日、「『民法典を徹底して実施する全国人民法院工作会議の摘要』(原文:全国法院贯彻实施民法典工作会议纪要)の公布についての通知」(法〔2021〕94号)を発出しました。最高人民法院は2021年1月4日に全国の法院を招集して上記の工作会議をオンラインで開催し、3月15日に「民法典を徹底して実施する全国人民法院工作会議の摘要」(以下、「会議摘要」という)が正式に審議、可決されました。
「会議摘要」は、民法典の関連条文を理解し、適用するうえでの重要な指導的意義があり、その内容には主に以下の分野が含まれています。
一、 民法典の総則編、契約編に関連する制度の適用について
「会議摘要」では、民法通則に関する司法解釈と契約法に関する司法解釈が廃止された後に、新たな司法解釈が公布されるまでの期間に適用される民法典の総則編、契約編における注目すべき重要な問題に対して解釈と分析を行っています。例えば、失踪宣告及び死亡宣告の申請について、重大な誤解について、脅迫と詐欺の認定について、訴訟時効の停止・中断について、契約の成立について、様式条項の説明義務について、不合理な低価格での譲渡行為の認定について等です。
二、 民法典及び関連する司法解釈の新旧組み合わせ適用について
「会議摘要」は、人民法院が事件を審理する過程において、「最高人民法院による『中華人民共和国民法典』適用の時間的有効性に関する若干の規定」(以下、「時間的有効規定」という)に厳格に従い、「法は過去に遡及せず」の基本原則を堅持し、当事者の合理的な予測を法により保護しなければならないと要求しています。人民法院が民事紛争事件に関する審理を行うときに、「時間的有効規定」第2章で定める民法典を「遡及して適用する具体規定」に該当する状況にあると認定する場合は、類似案件を良く調べて当該法院の裁判委員会で審議した後に高級人民法院に報告しなければならないとしています。
三、 民法典を適用する裁判指導と調査研究業務を強化
「会議摘要」は、人民法院が事件を審理する過程において、財産権を司法保護する強度を高め、各種の財産権を法により全面的かつ平等に保護し、刑事手法を利用して民事紛争に介入することを断固として防止しなければならないと要求しています。民法典の各編間の関係を正確に把握し、「総則と分則」「原則と規則」「一般と特殊」の論理体系を十分に認識し、同時に、民法典が新技術、新モデル、新業態を促進し、保障する効果を発揮するよう特に注意を払わなければならないとしています。
出典:最高人民法院