異常な発票(インボイス)を取得した場合、どのように対応すべきか?
2026. 10. 28
異常な発票(インボイス)を取得した場合、どのように対応すべきか?

Q:異常な発票(インボイス)を取得した場合、どのように対応すべきか?
パターンA:取得した発票が税務当局により虚偽発行(虚開)と認定された場合
この場合、国税発〔2000〕187号文の規定により、増値税専用発票の善意取得を主張することができる。善意取得の要件を満たすと認定された場合、購入側については、脱税(偷税)または輸出税還付の詐取として扱われない。ただし注意すべき点として、当該発票については依然として、仕入税額控除や輸出税還付の申請に使用することはできない(適法な証憑を再度取得した場合を除く)。
これ以外にも、行政復議および行政訴訟による救済手段を検討することも可能である。実務においては、上位の取引先(上游企業)が虚開と認定された後、さまざまな事情により救済権利の行使に積極的でなく、その結果として発票の受領企業(受票企業)に影響が及ぶ事例がある。受票企業は税務行政行為の直接的な相対人ではないため、かつては、同企業が行政復議を提起する資格を有しないとする見解が存在した。しかし2026年3月、最高人民法院が「新時代の東北全面振興に奉仕する典型案例(第二陣)」を発表し、その中の案例8は一定の参考意義を有し、受票企業の権利救済に新たな可能性を提示した。
事例の概要:某市税務局が280号税務処理決定を行い、某東公司が河北省の某物流会社宛てに発行した増値税専用発票を虚開と認定した。某東公司は280号税務処理決定に対して行政復議申立てを行わなかった。某物流会社はこれを不服として、2023年11月に某市税務局に復議申立てを行ったが、同局は同社と280号税務処理決定との間に利害関係がないことを理由として、不予受理決定を行った。某物流会社は不服として出訴し、不予受理決定の取消しおよび法的受理義務の履行を求めたが、大連市西崗区人民法院は同社の請求を棄却した。
これに対し、遼寧省高級人民法院の再審においては次のように判断された。税務徴収管理法の関連規定によれば、上位の税務当局が発票発行企業の増値税専用発票の虚開を認定した場合、直ちに受票企業が取得した発票を適法な控除証憑として使用できなくなる結果を生じさせる。仮に受票企業に実際の取引が存在する場合でも、下位の税務当局は通常、同企業の「善意取得」の認定にとどまり、依然として税費の追徴(補納)を求める。そのため、虚開の認定は受票企業に直接的かつ実質的な影響を与えており、受票企業と当該処理決定の間には法律上の利害関係が存在し、行政復議の申立適格を有する。
パターンB:発票発行者の逃亡・失踪(走逃失联)等による証憑の異常
これも実務上比較的よく見られる事象である。主として、販売側が発票を発行した後、経営状況の悪化などにより実態を伴わない状態(走逃失聯)となり、増値税の納付がなされず、税務当局の監督を逃れたことにより、当該証憑が「異常証憑」に指定されるケースである。
国家税務総局公告2019年第38号文の規定によれば、税務当局が認定した異常証憑に異議がある納税者は、主管税務当局に対して事実確認の申請を行うことができる。税務当局による確認の結果、現行の増値税における仕入税額控除または輸出税還付の関連規定に合致する場合、納税者は引き続き控除の申告、または改めて輸出税還付の申告を行うことができる。また、消費税の控除規定に合致し、かつ消費税を既に納付済みである場合、引き続き消費税の控除申告を行うことができる。
税務当局に提出する資料には、売買契約書、銀行の取引明細、納品書・検収書、業務上のコミュニケーション記録、その他の関連証明資料等が含まれる。取引の実在性が証明できれば、理論上は当該発票による税額控除が可能である。もっとも、納税者の信用格付け(納税信用等級)によって、実務上の手続は細部で差異が生じるため、ここでは詳述を割愛する。
なお、以上で検討した増値税以外にも、企業は企業所得税等、その他の税目における処理についても注意を払う必要がある。

