定年退職年齢に到達した際の労働契約終了日は誕生日当日or翌日?
2026. 6. 26
定年退職年齢に到達した際の労働契約終了日は誕生日当日or翌日?

Q:労働者が法定退職年齢に達した場合、労働契約の終了日は誕生日の当日となるのか、それとも誕生日の翌日となるのか?
A:「中華人民共和国労働契約法実施条例」第21条では、「労働者が法定退職年齢に達したときに労働契約は終了する」と規定している。中国では定年延長政策が実施される前まで、一般に女性は50歳又は55歳、男性は60歳を法定退職年齢としていたが、今後は段階的に女性55歳又は58歳、男性65歳へと引き上げられることになる。しかし、「法定退職年齢に達する」とは具体的にいつを指すのか、即ち労働契約の終了日は誕生日の当日なのか、それとも誕生日の翌日なのかについては、司法の実務上で見解が分かれている。
一つ目の見解は、誕生日当日の午前0時に法定退職年齢に達するとするものである。これに対し、二つ目の見解は、誕生日当日の24時(即ち誕生日翌日の午前0時)になって法定退職年齢に達するとするものである。弊所では後者の見解がより妥当であると考える。
「労働契約制度の実施に関する若干の問題についての通知」第5条第2項は、「労働契約の終了時点は、契約期間の最終日の24時を基準とする」と定めている。また、「中華人民共和国民法典」(以下「民法典」という。)第203条は、「期間の最終日の満了時刻は24時とする」と規定している。さらに、「民法典」第1259条は、「『以上』『以下』『以内』『満了』には当該数値自体を含み、『未満』『超過』『以外』には当該数値を含まない」と規定している。これらの法令規定を踏まえ、一部の裁判機関及び労働紛争仲裁機関は、労働者は誕生日当日の24時(誕生日翌日の0時)になって初めて50歳、55歳又は60歳に達するのであり、法定退職年齢に「到達(満了)」するのは誕生日の翌日であると解している。したがって、この見解によれば、労働者は誕生日当日中には依然として労働を提供し、賃金の支払いを受ける権利を有する。そのため、誕生日の当日に労働契約を終了した場合には、違法な労働契約解除と認定され、企業に対して経済補償金の支払いが命じられるリスクが存在する。
リスク回避および法令遵守の観点からは、労働者が法定退職年齢に達したことを理由として労働契約を終了する場合、誕生日の翌日を契約終了日とすることを推奨する。
また、中国において定年延長政策が実施された後も、「法定退職年齢に達する」という判断ロジック自体に変更はない。そのため、企業は「法定退職年齢延長対照表」に基づき、「誕生日の翌日プラス延長対象月数」を基準として、労働者の法定退職年齢および労働契約終了日を確定することが望ましい。
例をあげて説明すると、ある男性従業員の生年月日が1966年6月9日であり、定年延長制度の適用により法定退職年齢が60歳5か月(即ち2026年11月)となる場合、同従業員は2026年11月9日24時になって初めて「法定退職年齢に達した」となるため、企業としては2026年11月10日を労働契約の終了日とする方が、法的リスクの観点からより安全ということになる。

