会社は元従業員の立ち入りを禁止できるのか?

2026. 5. 8

会社は元従業員の立ち入りを禁止できるのか?

Q:職務犯罪の疑いで解雇した従業員に対して、会社は社内への立ち入りを禁止する権利があるのでしょうか?

   A:二つの角度から分析してみましょう。

   その一、会社が使用する権利のあるプライベートエリア(すなわち、会社の許可した者のみがアクセスできるエリア)においては、「民法典」の関連規定により、元従業員のアクセスを禁止することができます。その中でも、自社所有不動産については所有権に基づいて会社の使用エリアが確定され、当然ながら関係者以外の立ち入りを拒否できます。賃貸物件の場合にも、賃貸占有に基づく他者の不法侵入の排除に関する規定に基づき、元従業員の立ち入りを禁止できます。

   その二、その元従業員に会社が所在する場所に接近することを禁止する場合、特に会社が公共エリアで経営している場合には、状況が複雑になります。例えば、会社が開設している対外経営の店舗などがこのケースにあたります。

   その元従業員がこうした公共エリア内の経営場所に入って会社や他の従業員の権益を確かに侵害する可能性がある場合には、例えば経営を妨害したり、商業秘密を漏らしたり、他の従業員に嫌がらせをしたりする可能性があるという証拠をもって証明すれば、特にこのような権利侵害行為をいままさに行っているとかこれから行うことを証明する証拠があれば、立ち入りを禁止することができ、さらに、かかる経営場所から一定の距離内に近づかないよう裁判所に禁止令を申請することもできます。

   しかし、実務では、このような証拠の立証は容易ではありません。

   そのため、このような元従業員が経営場所に立ち入る場合には、必ず専任者を手配して対処し、その立ち入りを明確に拒否し、必要な録音・録画を行い(なるべく監視措置のある場所に人員を留める)、速やかに警察に通報することが必要です。警察に通報した後も、証拠を残すために、書面を作成し、元従業員に通知することもよい方法です。

   元従業員がこうして拒否されたにもかかわらず、合理的な理由なく何度も経営場所に近づき、他の従業員を尾行したり、嫌がらせをしたり、横断幕を掲げて騒ぎを起こしたり、行動がエスカレートした場合には、裁判所に禁止令を請求してみたらよいでしょう。
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