価格法改正案では主にどのような修正が行われたのでしょうか?

2025. 8. 6

価格法改正案では主にどのような修正が行われたのでしょうか?

Q:価格法改正案では主にどのような修正が行われたのでしょうか?

   A:2025年7月4日、国家発展改革委員会、市場監督管管理総局が研究起草した「中華人民共和国価格法修正草案(意見募集稿)」を正式に公布し、パブリックコメントを実施する。今回の改正では市場発展における新たな課題に焦点を当て、政府の定価方法から市場価格行為規範、更に違法行為に対する責任を追及することに至るまで、全てにおいて重要な調整が行われている。

   政府定価方面に関して、改正草案は顕著な変更をもたらしている。先ず、政府指導価格の形式が従来の基準価格及びその変動幅に限定されず、価格設定機構は、価格設定方法や規則等のメカニズムを通じて、政府の価格設定水準を決定することが出来る。これは政府の価格設定が伝統的な直接的な価格水準の決定から、科学的かつ合理的な価格設定メカニズムを通じた間接的な価格をコントロールへと転換することを意味する。これにより、政府の価格設定は、市場の需給変化に柔軟に対応することができる。例えば、一部の公用事業分野においては、コスト監査、市場の需給等の要素を踏まえ、業界の特性に適合した価格設定メカニズムを策定する。これにより、企業の運営コストと公衆の負担能力のバランスを取ることで、資源の合理的な配分を促進することができる。

   同時に、改正草案ではコスト監査を政府の価格設定における重要なプロセスと位置づけ、政府の価格設定に科学的根拠を確保するため、価格コスト監査を更に強化している。価格設定の情報収集段階において、インターネットの普及に伴い、社会の意見を公開での募集、アンケート調査などの方法が新たに追加されたことで、パブリックコメントの募集ルートが多様化し、政府の価格設定における科学性と規範性が大幅に向上している。

   不公正な価格行為に対する認定基準は、今回の改正でより詳細かつ充実したものとなった。現在の市場で顕著な「インボリューション」競争問題に対応するため、改正案ではダンピングの認定基準を整備し、適応範囲を「商品」から「商品またはサービス」へと拡大した。更に、コストを下回る価格設定であるかどうか、また競争相手の排除や市場の独占を目的としているかどうかを明確な要素として判断される。新興サービス業界を例に挙げると、一部の企業がコストを下回る価格設定などの手段を通じてお客を獲得し、競争相手を排除しようとする行為に対し、このような行為は今後より明確な規制を受けることになる。

   その他、価格カルテル、不当な価格吊り上げ、価格差別等の不公正な価格行為に対する認定基準もさらに細分化されている。例えば、公共企業体や業界団体等は、影響力や業界の優先的地位を利用して、商品を強制販売やバンドル販売を行ったり、不当な名目でサービスの提供料を徴収したりしてはならない。事業所における経営者の価格行為に対する規制を更に強化し、経営者がデータやアルゴリズム、技術及規制等を利用して不公正な価格操作を行うことを明確に禁止している。これにより、データ経済時代における価格監査の新たな挑戦に対してしっかりと応えている。

   価格違法行為に対する法的責任に関して、改正案では健全化が図られている。経営者の不公正な価格行為に対する処罰の規定が調整され、価格表示違反に対する処罰基準が引き上げられた。これにより、違法行為のコストが大幅に増加することとなった。同時に、経営者がコスト監査や資料調査において、提供を拒絶したり虚偽の報告を行ったりした場合の法的責任が明確化された。これにより、監督管理における法執行の抑止力が強化され、価格法が効果的に実施されることを保障している。

   今回の価格法改正案は、市場の実態に基づき、価格ガバナンス体系の全般的な整備を図るものであると同時に、これが最終的に実施に至ることを踏まえ、企業の価格管理に対し影響が生じることとなる為、我々は企業が高度な注意を払うに値すると認識している。
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