「新型肺炎疫病」発生状況の下で医薬健康の関連企業は休業延長する必要か

2020. 1. 29

「新型肺炎疫病」発生状況の下で医薬健康の関連企業は休業延長する必要か

  近日、新型コロナウィルス感染肺炎疫病の発生状況に対応すべく、中国各級の政府が様々な措置を打ち出しています。1月26日に、国務院は「2020年春節休暇を2月2日(旧暦の正月9日、日曜日)まで延長する」という通知を発表し、翌日の27日に上海市政府は「本市の各企業は2月9日(旧暦の正月16日、日曜日)の24時前に仕事を開始しないこと。但し、都市インフラ保障に必須であるもの(水道・ガス・電気の供給、通信などの業界)、疫病状況の防止・コントロールに必須であるもの(医療機器、医薬品、防護用品の生産および販売などの業界)、人々の生活に必須であるもの(スーパーマケット、食品生産とサプライ等の業界)及びその他国民の生計に関わる重要な関連企業は除外される。」という措置を決めたことを発表しました。その後、江蘇省、浙江省、広東省、また煙台市や蘇州市なども引き続き、2月9日24時までまたは2月8日24時まで企業を休業させる通知を発表しました。

  各地政府の決定で明確にした休業延長の対象外としての企業は、一般的に疫病状況の防止・コントロールに必須である医療機器、医薬品、防護用品の生産と販売などの業界が含まれますが、書き方がやや抽象的で、あらゆる医療機器、医薬品、防護用品の生産または販売する企業が休業せずに操業開始できるか否かは、曖昧なところです。この問題について、弊所の医薬健康チームは下記の見解がありますが、読者の皆様のご参考になれば幸いです。

  上海市経済と情報化委員会、上海市商務委員会による作業の細分化・具体化及び実行手続に関する情報を参照しますと、医療機器、医薬品、防護用品の生産等疫病状況の防止・コントロールに必須である産業ラインの企業は、早めに操業開始し、生産を増大しなければなりません。つまり、医療機器、医薬品、防護用品の生産企業は、疫病状況を防止・コントロールするために必須の産業ラインにおける企業であれば、早めに操業開始しなければならないが、その反面、同じ医療機器、医薬品、防護用品の生産・販売企業であっても、その製品は疫病状況を防止・コントロールするために必須の産業ラインにおけるものに該当しなければ、当地政府の通知に従って休業を延長しなければなりません。

  なお、上海市の場合、早期復業(仕事を早く再開すること)に関する審査承認制度が設けられており、「特別な原因で2月10日以前に復業する必要な企業は、関連する説明資料(市外から来た従業員の流通情報状況を含む。)、疫病状況への対応予備措置及び疫病状況が発生しないことを確保する承諾書などを鎮(街道)の疫病防止・コントロールする指揮部又は園区に報告し、審査されて承認を得てから復業することができる」ということになっています。つまり、企業(対象外にされていない企業)が早めに操業を開始したければ、上記の報告審査規定に従わなければなりません。

  したがって、今回政府が発表した通達文書に基づき、医療機器、医薬品の関連企業が自ら疫病状況を防止・コントロールするために必須の産業ラインにおける企業に該当するかを判断することができず、又は政府の規定に従わずに操業開始することによるリスクを減らすため、当該「早期復業(仕事を早く再開すること)に関する審査承認制度」を利用して、提出すべき説明資料に自社が生産経営する製品が疫病状況を防止・コントロールするために必須の産業と関連することを表明し、早期復業を申請することが考えられます。


2020年1月29日

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