朱建栄:日中協業関係、新時代における日中経済貿易企業発展の新たな方向 | 日中関係間の新しいモデルを共に語り合う
2025. 5. 6
朱建栄:日中協業関係、新時代における日中経済貿易企業発展の新たな方向 | 日中関係間の新しいモデルを共に語り合う

編集者注
2025年4月18日、ダン・リーグ法律事務所日系企業法律サービスセンターが主催した「新しいステージに入った日中経済協力関係のあり方及び日系企業の取り組み」をテーマとした北京非公開交流会がチャハル学会で成功裏に開催された。会議では日系在華企業の幹部役員、日中両国の経済貿易専門家、専門サービス機構代表等約10名が一堂に会し、日中間の新しいビジネスモデルを共同で探究した。新しいステージにおいて日中両国がウインウインの発展を実現するための提言と献策を行った。以下は、ゲストの核心的な意見と参加者の感想を抜粋したので、読者の皆様に楽しんでいただければ幸甚である。
日中協業関係、新時代における日中経済貿易企業発展の新たな方向
日本東洋学園大学教授 朱建栄
私はチャハル学会北京適園で開催された「新しいステージに入った日中経済協力関係のあり方及び日系企業の取り組み」をテーマとする北京非公開交流会に参加し、ディスカッションセッションの司会を務めさせていただいた。最近、私は現在の日中経済貿易関係をどのように位置づけるべきか考察を重ねて来ている。先般、東京の中国大使館で開催された公開シンポジウムにおいて、「日中経済貿易関係は第三段階に入った」との見解を示した。
第一段階の80年代初期は垂直分業の関係であった。日本が技術、設備を提供し、中国が加工生産を担う構図だった。21世紀に入ってからの20年余りでは水平分業へ転換した。2003年にハイアールの広告看板が銀座に掲げられたことは象徴的な出来事で、互恵補完的な経済関係が深化していった。
しかしながら現在、日中経済貿易関係は明らかに新しいステージに入っており、それをどのように定義し纏めるかについて私が今まさに考えているところである。今回のシンポジウムで双方の企業家や学者の発言から多くの示唆が得られ、一定の結論を見出したと考えている。
新時代における日中経済貿易企業関係を「日中協業関係」と定義することができるか否か。双方の関係には相互補完、相乗効果、双方向対等性、世界に恩恵を齎す等新たな特徴が顕著に見られる。
「日中協業」にはプラットフォームが登場した。
先ずは中国国内である。トヨタをはじめとする日系企業が対中投資を再拡大している。日本の伝統技術と中国の新興スマート技術を融合させることで、中国国内市場を引き続き開拓するだけでなく、日中双方がそれぞれ異なった長所をすべて受け入れ、日本が長年培ってきた欧米市場に活用することで、「虎に翼を添える如く(鬼に金棒)」の効果を発揮する。
第二プラットフォームは、日本国内である。現在、中国企業や投資家が日本に相次いで進出している中、日本はこの新興勢力をどのように活用するか。ファーウェイが日本研究所で日本の知恵を取り入れたように、逆方向で中国の次世代科技人材を活用することは、新たな開拓の舞台になるはずである。
第三プラットフォームは、第三市場を共同で開拓することである。トランプの一方的な行動主義と中小国への強権的な圧力に直面して、中国と日本は特に東南アジアや南アジアなど近隣地域の発展において、大いに発展する見込みがあり、双方がウインウイン型の発展を実現するだけでなく、各国がリスクを回避し、共に繁栄するのを助けることもできる。
今回の北京での日系企業の幹部役員との対話交流は、上海で開催されたものと同様に、日系企業が日進月歩の中国をさらに深く理解するための信頼できるプラットフォームを提供しており、中国側が日系企業の本音や提言を知るための窓口となっている。両国企業の協力関係における信頼と成功事例を増強するために、段和段法律事務所の日系企業法務センターが今後も橋渡し的な役割を果たすことを期待している。