企業の簡易抹消の適用条件とメリット、デメリットはなにか?
2025. 4. 24
企業の簡易抹消の適用条件とメリット、デメリットはなにか?

Q:企業の簡易抹消の適用条件とメリット、デメリットはなにか?
A:「企業登録抹消手引き(2023年改正)」、「会社法(2023年改正)」の公布と実施に伴い、企業の簡易抹消制度はさらに明確化されたため、その適用条件とメリット、デメリットを以下の通り簡単に取りまとめた。
1. 企業の簡易抹消の適用条件
(1)適用対象
債務が発生していないか、既に債務の弁済を完了している,弁済費用、従業員賃金、社会保険料、法定補償金、納付すべき税金などが清算されずに残っていない企業に適用される(上場企業は含まれない)。
なお、企業が以下のいずれか一つの状況にある場合、簡易抹消は適用されない。承認が必要とされる抹消登記、営業許可証が取り消されている、経営異常または深刻な違法信用失墜リストに登録されている、株式が凍結または抵当されている、権益性または債権性投資を保有している、所得税の清算が未完了である、法律訴訟または仲裁中である、行政処罰が未決であるなどの場合。
(2)投資者全員による誓約
簡易抹消登記を申請する場合、投資者全員(株主)は企業に未決済債権債務を存在しないことを誓約しなければならない。
(3)情報開示
企業は抹消「一網」サービスプラットフォームまたは国家企業信用情報開示システムの「簡易抹消公告」コラムにおいて、主動的に簡易抹消登記の申請と投資者全員の誓約などの情報を掲載し、社会に公告する。
(4)公告期間満了且つ異議申立なし
①国家企業信用情報開示システムでの公告期間は20日間。この期間中、債権者、利益関係者または関連の管轄政府機関は異議申立をすることができる。税務当局は、未納税や社会保険上の問題がないかどうかを審査する。
②20日間の公告期間が終了した後、異議申立がなかった場合、次の20日間以内に抹消登記を完了することができる(登記機関は実際の状況に応じて適宜期限を延長することができるが、総期限は公告期間終了後50日間を超えないこと)。
2. メリット、デメリット
簡易抹消を適用する場合、通常の抹消手順におけるいくつかの手続き(清算グループの設立及び清算に関する株主決議の作成、債権者の公告、債権債務の整理及び清算方案の実行、清算報告書の形成、税務消込などを含む)が免除されるため、一般の自己清算で所要する長期間、手続の煩雑さによる負担を軽減することができる。
しかし、投資者(株主)全員が企業の未返済債務がないことを誓約しなければならず、誓約が事実でない場合は、抹消前の債務に連帯責任を負わなければならないため、株主が出資額を上限とする有限責任からの保護を失うことになり、負担が重くなる。
したがって、企業の株式構造が複雑であるか、財務問題が完全に清算されていないか、又は株主が外国人投資家であり、企業の実際の業務状況や財務状況に詳しくない場合は、通常の清算手続きを採用することを提案する。