医薬品の国外製造から国内製造への移行に関する重要文書を発表
2024. 2. 19
医薬品の国外製造から国内製造への移行に関する重要文書を発表

中国の医薬、医療、医療保険改革の推進、特に医薬品帯量調達(VBP)の常態化発展に伴い、中国で上市済の海外製造の医薬品(オリジナル研究薬)の市場利益が先細りとなり、外資系製薬企業は次々と中国で上市済の医薬品の製造配置や販売戦略などを調整している。その中で、中国で上市済の海外製造の医薬品を中国国内での製造へと移行(「国産化」)することが重要な対応策の1つとなっている。
このような背景の下、国家医薬品監督管理局総合司は2024年1月24日に「国内で上市済の国外製造医薬品の国内製造への移行における上市登録申請に関する事項の最適化についての公告」(以下「公告」という)を発表し、2024年2月24日までパブコメを募集している。
「公告」の内容は以下の3点。
- 中国国内で上市済の海外製造医薬品を国内での製造へ移行する場合、国内の申請者が医薬品の上市登録申請の要求と手続きに従って申請しなければならない。
- 中国国内で上市済の海外製造医薬品を国内での製造へ移行する場合、関連する薬学、非臨床研究と臨床研究資料(適用する場合)は、海外で製造した医薬品の元の登録申請資料を提出することができ、かつ、移行した国内製造に関連する研究資料を提出するものとし、具体的な申請資料の要求は国家医薬品監督管理局医薬品審査センターが別途制定し、公布する。
- オリジナル研究の化学薬品と生物製品を国内製造へ移行する場合の医薬品の上市登録申請は、国家医薬品監督管理局による優先審査承認の適用範囲に組み入れる。
上記のうち、第1点、第2点はいずれも「医薬品上市後変更管理弁法(試行)」(2021年公告第8号)の第10条に規定された内容であり、今回の「公告」では特に変更していない。また、第3点は、国務院が2023年8月に発表した「外商投資環境のさらなる最適化、外商投資誘致力の強化についての意見」(国発〔2023〕11号)の中の「重点分野における外資誘致力の強化」政策の1つである。
「公告」は既存文書の内容についての再確認にすぎないが、中国政府が医薬品分野において外商投資誘致を強化することを重視する決意を示すものである。「公告」が正式に実施されれば、申請に関連するガイドライン文書も発表されると想定でき、中国で上市済の海外製造医薬品の「国産化」変更を大きく促進することになるので、引き続き注目に値する。
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