専利法実施細則を改正、誠実重視、審査を効率化
2024. 1. 18
専利法実施細則を改正、誠実重視、審査を効率化

2023年12月21日、中国国務院は「専利法(特許法)実施細則」(以下は、「細則」という)の改正条文を公表した。今回の法改正は、2021年6月1日からすでに施行されている改正専利法(第4次改正)を効果的に運用するための実施細則で、2024年1月20日より施行する。改正の主な目的としては、知的財産権の保護を強化してイノベーションを支持すること、改正専利法を細分化、最適化するとともに特許制度の一致性と安定性を確保すること、関連の国際条約との一致性を高めることなどを掲げている。本文では、日系企業の関心が高い主な改正事項を抜粋して紹介する。
(1)ハーグ協定関連制度を調整
中国専利法の第4次改正の時点ですでに「工業製品の外観の国際登録に関するハーグ協定(ハーグ協定)」に加入するために相応の調整を行い、部分意匠に対する保護を追加し、意匠の国内優先権の主張を増設し、意匠権の保護期限を15年に延長した。それに応じて「細則」ではハーグ協定を通じて意匠を出願するための要件を実践のニーズに合わせて細分化した。
(2)特許審査質量を改善
今回の「細則」改正時の重要な注目点の一つは、特許審査の質と効率を改善することにある。例を挙げると、特許出願は誠実信用の原則を遵守すべきであり、出願はいずれも真の発明・創造活動に基づくべきであり、虚偽又は欺瞞があってはならないことを明記した。また、特許秘密保持審査の時限を調整し、再審制度を完備して再審の内容に明らかに特許法と本細則の関連規定に違反するその他の情況を追加した。特に、実用新案の初歩審査においては明らかな進歩性を有しているかどうか、意匠の初歩審査においては明らかな創作非容易性を有しているかどうかを審査することになった。
(3)優先権制度を改善
特許出願における優先権制度では、出願人が後願において先行出願中の技術方案または意匠内容を引用することを許可し、かつ引用された部分について先願の出願日の利益を獲得し、それによって後願において引用された内容の新規性は喪失しないとしている。過去の特許法の規定では、外国で提出した発明、実用新案、意匠の特許出願は外国で優先権を有し、中国で提出した発明、実用新案の特許出願は中国で優先権を有すると規定していた。すなわち、中国で提出された外観設計の申請は中国の優先権を有していなかった。改正後の特許法では、中国での優先権を中国で提出された意匠権出願にも準用した。こうした背景のもと、「細則」では優先権制度の関連規則を完備した。
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