最新の「中国輸出禁止制限技術目録」を発表、医薬分野に重大変化
2024. 1. 19
最新の「中国輸出禁止制限技術目録」を発表、医薬分野に重大変化

2023年12月21日、商務部と科学技術部は改訂した最新の「中国輸出禁止製限輸出技術目録」(2023年第57号公告、以下「2023年版目録」という)を公布し、公布日から実施した。前回公布された2020年版と比べると、2023年版目録では34項目を削除し、37項目を改訂し、4項目を追加して総項目数が164項目から134項目に減少した。削除された項目に関連する技術はすべて自由に輸出できる技術となる。今回改訂により輸出が禁止、制限される医薬製造業に関連する技術は全7項目あり、具体的には以下の通り。
- 禁止類は3項目:中薬材資源及び生産技術、中薬飲片の加工技術、中国の貴重な絶滅危惧植物の薬用成分の抽出加工技術。
- 制限類は4項目:中薬材資源及び生産技術、生物技術薬物の生産技術、中薬の処方と生産技術、組織工程医療機器製品の製造と加工技術。
また、注目点としては、2020年版と比較すると、2023年版目録では「研究と試験発展」分野における禁止項目として「ヒトのための細胞クローンと遺伝子編集技術」が新たに1項目追加されたが、「倫理的な議論があり、重大な危害を及ぼす可能性があり、遺伝物質を含むヒト生殖細胞(すなわち、胚細胞、卵子細胞、精子細胞)を編集するための遺伝子編集技術」に限られている。従って、国際倫理と道徳の要求に合致し、中国の遺伝子治療分野に関わる企業による通常の非生殖細胞系技術の対外提携、技術許諾には影響がないと思われる。
さらに2023年版目録では、「CRISPR遺伝子編集技術」と「合成生物学技術」の2つの禁止項目を削除した。これらの変化は中国の細胞と遺伝子治療に関わる企業のグローバル化事業展開に、積極的なメッセージをもたらすだろう。
原文リンク: