北京 | 引受済出資金の期限繰り上げによる債権回収
2023. 10. 23
北京 | 引受済出資金の期限繰り上げによる債権回収

北京市西城区人民法院は9月19日、「株主出資紛争に関わる典型事例」の記者会見を開き、株主による出資に関わる紛争について5つの典型例を公開した。そのうち、「株主の出資期限の繰り上げに関する事例」の概要は以下の通り。
原告はある企業の債権者で、同企業を起訴して勝訴した後に法院に執行を申請したが、法院は同企業に執行可能な財産が存在しないと判断して執行停止の裁定を下した。その後、原告は同企業の自然人株主2人が合計500万元の出資を引き受けているが、実際に払い込んだ出資額は0元で、出資期限が16年後であることを判明した。原告は、株主の出資義務は期限を繰り上げるべきであるとし、2人の株主を被執行人として追加し、未払登録資本の範囲内で原告の損失を賠償する責任を負うよう請求した。法院は、当該企業が期限の到来した債務を返済できなかったこと、また明らかに返済能力を欠如していることから、株主出資期限は法により繰り上げ到来すべき事由に該当するとして、出資金が未払いの株主はその未払いの出資金の範囲内で会社の債務を負担すべきであると認め、原告の訴訟請求を支持した。
登録資本引受制の下では、株主の出資義務に猶予が認められているが、これは出資義務が免除されることを意味するものではない。会社は債権を回収する際に、債務者が返済不能に陥った場合には、債務者の株主が登録資本を全額払い込んでいなければ、当該株主を執行者として追加することも手段として考えられる。これも実務において有力な債権回収方法である。
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