実務参考|最新版ヒト遺伝資源管理に関するよくある問題解答を発表

2023. 10. 17

実務参考|最新版ヒト遺伝資源管理に関するよくある問題解答を発表

   このほど、国家科学技術部傘下の中国生物技術発展中心の生物資源安全処は最新版の「ヒト遺伝資源管理に関するよくある問題解答」(以下「問題解答」という)を公布した。科学技術部行政審査許可受理窓口が「ヒト遺伝資源管理条例実施細則」(以下「実施細則」という)を施行して以来、申請者がヒト遺伝資源に関する行政許可や届出などを申請する際によく問いあわせがある問題について、申請者による申請過程における参考までに編纂されたもの。同時に、以前(2022年3月4日と2022年4月15日)に発表されたよくある問題解答(以下「過去解答」という)は廃止される。

   「問題解答」はヒト遺伝資源の採集と保管の行政許可、国際提携における行政許可と届出、情報の対外提供又は開放使用の事前報告、及びその他の問題という計4方面、30個の問題を提起して解答を示している。過去解答に比べると、「問題解答」は今年7月1日より施行された「実施細則」と7月14日に発表、実施されたヒト遺伝資源の管理に関連するサービスガイドラインを踏まえて、簡略化された措置に係る操作要求をより明確化したもので、実務上重要な指導意義を有している。

   特に最大のポイントの1つとして、ヒト遺伝資源の情報管理範囲に対してはヒト遺伝子、ゲノムデータなどの情報材料に焦点をあてるとしたことに関連する問題への解答である。「実施細則」が発表されるまでは、ヒトの尿、糞便、血清、血漿など遺伝子を含まない、又は極少量しか含まない生物サンプルもヒト遺伝資源として管理されていたため(原則上、事前審査許可が必要)、利用するうえでのハードルが高く、多くのプロジェクトの推進を阻害していた。しかし、「実施細則」の施行により、上述の材料又は情報はヒト遺伝資源の管理範囲から除かれ、これに伴い、実務上の関連する問題について「問題解答」では次の点を明確にしている。
  1. 尿、糞便、血清、血漿など、ごく少量の脱落、残留または遊離細胞または遺伝子を含む可能性のある生物サンプルは、ヒト遺伝資源材料の管理範囲に含まないこととする。
  2. 尿、糞便、血清或いは血漿はヒト遺伝資源材料の管理範囲に含まず、上述の材料の越境は申告する必要がない。
  3. 尿、糞便、血清或いは血漿などの材料を利用して科学研究に用い、遺伝子、ゲノム、トランスクリプトーム、エピスターン及び核酸類生物マーカーなどの検査・測定によって生成したヒト遺伝資源情報は、国際提携、情報の対外提供或いは開放使用事項に関する場合にのみ、検査によって発生した上述のヒト遺伝資源情報を国際科学研究提携許可または国際提携臨床試験の届出、情報の対外提供または開放使用の事前報告管理として組み入まれる。
   今回公布された問題回答により、上述の材料又は情報を利用する必要のある企業にとっては、企業の実情とプロジェクトの具体的な要求に照らして、関連材料又は情報の使用(越境を含む)がヒト遺伝資源の管理範囲に該当しないと判断した場合には、科学研究実験やビジネス利用などの効率を大幅に上げることができ、大きなメリットが生じることになるだろう。


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