進行中の医療汚職摘発に国家衛生健康委員会が態度表明

2023. 8. 28

進行中の医療汚職摘発に国家衛生健康委員会が態度表明

   今年7月から中国の医薬分野における腐敗取締活動が全国規模で全面的に展開され、現時点で累計200名近くの病院幹部が通報されている。医薬企業の間でも緊張が高まり、学術会議などのプロモーション活動が相次ぎ中止するなか、8月15日に国家衛生健康委員会(以下、「衛健委」)は「全国医薬領域における腐敗問題の集中取締活動に関する問答」を発表し、「規範的に展開される学術会議と正常な医学活動は大々的に支持すべきで、積極的に推進すべきである」との表明を明確に示した。

   業界ではこれが医薬企業への強心薬になると評価する声もある。医薬の革新と発展に学術プロモーションが欠かせないことは周知の事実である。しかし、それを利用して利益供与などの不法行為に走った根本的な原因は、医療・医療保険・医薬品の「三医」改革の不徹底さにあり、医師を含む医療従事者の待遇の低さ、医療保険の基金不足などの喫緊の問題や、学術プロモーションなどの医薬企業によるプロモーション活動が全国規模で規範化されていないことなどの問題が改善されなくてはならない。今回の衛健委の態度表明は、恐らく医薬企業間に蔓延している緊張した神経をほんの少しやわらげただけにすぎないだろう。

   7月21日に衛健委、国家医療保健局、公安部などの10部門が共同開催したビデオ会議の内容によれば、現在進行中の医薬分野における腐敗問題の集中取締活動は少なくとも今後1年間は継続する。現在、取り締り活動は真っ只中にあり、各医薬企業にとっては、院内訪問や伝統的な学術プロモーション活動を暫く中止し、静観することが得策となるのではないだろうか。


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