北京 | 仲裁契約不成立案件を報告
2023. 8. 11
北京 | 仲裁契約不成立案件を報告

紛争解決の方法は一般的に仲裁と訴訟の2方式で、当事者間の契約締結時の合意によって決定されることが多い。しかし実務では、仲裁に関する契約条項が裁判所によって無効と認定されることが少なくない。このほど、北京市第4中級人民法院は仲裁司法審査案件報告書を発表し、主として合意による仲裁条項の無効化問題について説明している。
「報告」の中で、主な類型として電子契約の定型約款をめぐる紛争で同院が仲裁契約の無効確認案件として処理した案件が報告されている。電子契約における仲裁条項について、一部の事業者は十分な注意を喚起する文字、記号、フォントなどを採用せずに消費者に提示し、契約紛争が発生した後に消費者は仲裁しか申請できず、消費者の紛争解決手段の選択を制限している。
この場合には、仲裁契約は成立しないと認定される。したがって、企業の立場からすると、定型約款において紛争解決条項を設定する際には、無効と認定されないように、顕著で、かつ「相手に十分な注意を喚起する」方法で消費者に提示しなければならない。
また「報告」によると、紛争解決方法の変更は当事者間の合意によって行われるべきであるとしている。一方的に紛争解決条項を変更できることを当事者間で特段に明確な合意をしていない限り、包括的な合意による一方的な「契約条項を変更する権利」は、原則として「紛争解決条項」には適用されないとされている。企業が契約において一方的な「契約条項を変更する権利」を設定する際には、この点に留意してください。
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