上海 | 外国判決の中国での執行等について渉外参考事例を公布

2023. 6. 26

上海 | 外国判決の中国での執行等について渉外参考事例を公布

   上海市高級人民法院はこのほど、2023年第1弾の参考事例を公布した。今回の内容は主に渉外商事、海事関連事例であり、紛争解決条項の効力、国際条約と訴訟の時効、ネガティブリストと株主資格の確認、クロスボーダー担保、外国判決の中国における承認と執行、海上保険など多方面の内容が含まれている。

   参考事例として公布された7案例のうち、SPAR航運が大新華物流との訴訟で外国法院での判決を申請して承認された案件において、法院は、「互恵関係の認定には、関連する外国法院が人民法院の民商事判決に対して先行して承認及び執行を与えることを必要条件とするものではない。判決を下した外国法院の所在国の法律に基づき、人民法院が下した民商事判決が当該国の法院の承認及び執行を受けいれることができれば、我が国と当該国との間に民商事判決を承認及び執行する互恵関係が存在すると認定することができる」と明らかにした。

   国際貿易の往来がますます頻繁になるにつれて、発効した判決が他国で承認され、執行されることもますます一般的になってきた。特定の状況下では、発効した判決の他国による執行を申請することも、企業の合法的権益を保護する有効な方法となり得る。しかし、案件の異なる類型や法域によって、他国への執行申請の難易度もそれぞれ異なる。したがって、渉外民商事契約の締結過程において、企業はあらかじめ紛争解決条項の約定を重視しておくよう注意を促したい。

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