裁判官の声 行政裁判での判断
2023. 6. 20
裁判官の声 行政裁判での判断

上海市第一中級人民法院の公式アカウントが「一二審対談:行政処罰裁量の司法審査」と題するツイートを6月6日に発表した。このツイートは、上海市第一中級人民法院が主催した学術討論対談会において、行政処罰裁量の司法審査について一審、二審の裁判官の立場で討論を行ったことをもとにしている。対談会は、上海市第一中級人民法院の裁判官1名と上海市閔行区人民法院の裁判官1名を招いて開催された。
このツイートと学術討論対談の内容とをまとめると、行政案件における裁判のポイントは以下の2点となる。
行政処罰の裁量審査では、処罰の対象となる違法行為の性質、情状、社会的被害の程度などの要素を総合的に考慮し、刑の加重または緩和の有無を全面的に判定する必要がある。同時に、上位法に違反せず、かつ、すでに社会に公表されている裁量基準についても裁判所が判断する際の参考として使用できる。
「行政処罰法」の規定における「初回違反は処罰しない」についての審査では、初回の違法、軽微な被害、適時に是正という3要件が揃っていることを踏まえて実施する必要がある。同法の「主観的過失がなければ処罰しない」についての審査では、法律において構成要件である主観的過失について明記していない場合には、過失推定原則を適用し、主観的過失がないことを証明する責任は当該行政担当者が負うものとの理解で行う。
上海第一中級人民法院によるこうした学術討論対談会は2020年から裁判官や学者などの法曹関係者を招いて始まり、司法実務においてよく見られる法律問題を市民に向けて分析して司法の透明性を高め、良好なビジネス環境を共に構築するための重要な活動となっている。
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