国外MAHは複数の国内代理人を指定できるのか?
2023. 5. 29
国外MAHは複数の国内代理人を指定できるのか?

Q: 国外MAHは複数の国内代理人を指定できるのか?
A:現時点では不可能です。
「医薬品管理法」第38条は、国外の医薬品上市許可保有者は中国国内の企業法人(以下、「国内代理人」という)を指定して、その医薬品上市許可保有者の義務を履行し、連帯責任を果たさなければならないと規定しています。では、何社の国内代理人を指定できるのかということに、企業は長年関心を抱いています。
現行法の「医薬品生産監督管理弁法」第47条は「医薬品上市許可保有者が国外企業である場合、1社の中国国内の企業法人を指定すべきであり、国内代理人は『医薬品管理法』と本弁法に基づく医薬品上市許可保有者の義務を履行し、国外査察に協力しなければならない」と規定しています。ここにある「1社」という表現はやや曖昧であるため、医薬品登録証を基準とし、登録証ごとに1社の国内代理人しか指定できないという見解もあります。特に、複数の医薬品登録証を保有する大手製薬企業にとっては、製品別で相応の責任能力を持つ異なる国内代理人を指定するほうが、操作しやすいと考えられています。
しかし、2020年8月3日に公布された「国外医薬品上市許可所有者の国内代理人管理暫定規定」の意見募集稿では、第2条に「国外保有者が複数の医薬品登録証を保有している場合は、1社の代理人を指定しなければならない」と明記されています。
同暫定規定は現在のところまだ正式に公布されていませんが、実務においては、NMPAが2022年4月12日に発表した「<医薬品年度報告管理規定>の印刷配布に関する通知」(国薬監薬管〔2022〕16号)の付属文書2「医薬品年度報告管理規定テンプレート(2022年版)」において、国外保有者情報欄の「国内代理人の名称」の記入欄は1欄しかなく、また、医薬品登録証の類型による区分がありません。弊所としては、現在の実務において、国外MAHは1社の国内代理人を指定することしかできないと理解します。