特殊フォントの商用侵害
2023. 5. 9
特殊フォントの商用侵害

5月4日、厦門中級人民法院は特殊フォント(書体)の著作権が商用で侵害された典型事例を発表した。
被告となった羊肉会社は、包装上にAフォントを無断で使用した漢字8文字が記載されている商品をスーパーで販売した。原告のフォント会社は、Aフォントは自社が創作して2000年に初公開したもので、2008年5月に著作権登録証明書を取得しているとして提訴した。フォント会社は、羊肉会社とスーパーが直ちに権利侵害を停止し、羊肉会社が賠償を支払うことを要求した。
裁判所は審理を経て、原告がAフォントを創作し、国家版権局で著作権を登録し、法律に基づいて著作権を享受していると認めた。また、ラム製品の包装に使用されている8つの漢字はAフォントに独特の芸術的特徴を備えているとし、羊肉会社は第三者からフォントをダウンロードしたと弁明したものの、ダウンロード圧縮バッグに「いかなる商用営利目的の利用も禁じ、それによる一切の結果は自己責任とする」と明記されていることから、羊肉会社の行為はこの8漢字においてフォント会社の複製権、発行権を侵害しているとした。スーパーでの販売行為も著作権法上の発行行為に該当し、フォント会社の著作権を侵害するものであるとした。
アドバイス:フォントの無断使用には権利侵害リスクが伴う。多くの使用者は法律意識が低く、あわよくばとの思いから、勝手にフォントを使って商業行為をしているが、これによって侵害訴訟が発生する可能性も少なくない。使用者は必ずフォントの著作権状況を確認し、フォント提供者の無料使用声明に注意し、第三者からのフォントのダウンロードを減らすことが大切である。オフィスソフト、デザインソフトに付属しているフォントであっても商業的に使用できるとは限らない。
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