中国 認証不要条約(ハーグ条約)への正式加盟を発表
2023. 3. 27
中国 認証不要条約(ハーグ条約)への正式加盟を発表

3月8日、談践(だん・せん)中国駐オランダ大使は中国を代表して「外国公文書の認証を不要とする条約(ハーグ条約)」の保管機関であるオランダ外務省に加入書を提出し、正式に同条約に加盟した。条約は11月上旬に中国で発効する。
条約の主な役割は、締結国間で公文書の越境提出手続きを簡素化し、国際的な経済・貿易や人的交流の利便性を高めることにある。条約への加盟は、中国が渉外文書の提出手続きで制度的開放を拡大するための重要な措置であり、二つの大きな恩恵をもたらす。
まず、国境を越えた文書の提出手続きにかかる時間的・経済的コストが大幅に削減される。一般的には、健康診断書や運転免許証、学位証明書、戸籍証明などの公文書を海外で必要とする場合に外務省の公印確認が原則不要となり、書類の手続きが簡便かつ迅速化される。条約加盟後は、海外で使用する文書の作成に要する時間が約20営業日から数営業日に短縮され、費用も大幅に削減される。これにより、中国と外国の人員や企業は、毎年3億元(1元=約20円)以上の文書提出手続費用を削減でき、締結国間の文書処理に要する時間は平均約9割削減される。
次に、ビジネス環境が最適化される。加盟後、中国への投資や輸出する意向がある外国企業は、原則としてビジネス文書を公印確認、領事認証する必要がなくなる。中国の輸出貿易に関わるビジネス文書の7割以上がその恩恵を受けることになる。
今回の加入は間違いなく外資企業にとって大きなメリットであり、日本を含む条約加盟国にとって、中国への投資、及び中国との貿易に関する手続きがより簡便になることが見込まれる。
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