「中薬登録管理専門規定」を発表、「臨床実績」がポイント

2023. 2. 24

「中薬登録管理専門規定」を発表、「臨床実績」がポイント

   2023年2月10日、中国国家薬品監督管理局は「中薬登録管理専門規定」(中文「中药注册管理专门规定」、2023年第20号。以下「規定」という)を発表し、2023年7月1日から施行する。「規定」は全11章82条で構成され、新たに改定された「薬品管理法」「薬品登録管理弁法」と有機的に連動し、医薬品登録管理の一般規定を基礎に、中薬の研究開発に関する要求をさらに詳細化した。

   特に、第三章の「人用経験証拠の合理的な応用」が「規定」の最大ポイントの1つとなっている。中薬の開発には「実践に基づく」特徴があり、中薬新薬のほとんどは上市する前にすでにある程度の人用経験を積み重ねている。「規定」では、中薬の安全性・有効性における「人用経験」の役割を重視し、特別な章を設けて、中薬における人用経験の具体的な含意、人用経験エビデンスが支持する中薬登録申請の状況などを明確にし、中薬の特徴にあわせた承認審査技術評価システムの構築を促している。

   一方、「規定」では、輸入中薬に対して、中薬創薬と同等の基準で登録申請資料の提供を求めている。これは、漢方煎じ薬(中文「中薬飲片」)の調合技術の応用と中成薬の秘伝処方製品製造への外国企業による投資を禁じる外資参入政策(「外商投資参入特別管理措置(ネガティブリスト2021年版)」参照)と同様に、中国が中薬に対する外国企業の参入と輸入の管理において依然として慎重な態度をとっていることを表している。

   「健康中国」戦略、及び「第14次5カ年計画中薬発展計画」の実施に伴い、現在、中医薬の発展は既に国家戦略となっている。今後、「規定」に関連する文書が次々と発表されると予想されるので、引続き注視していきたい。


※[人用経験]とは、中薬の処方/製剤が医薬品として臨床使用される過程で蓄積した、適用対象者群、使用量、治療効果特徴など臨床経験に対する認識と総括である。


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