2023年の経済展望~中央経済工作会議で指針示す
2022. 12. 23
2023年の経済展望~中央経済工作会議で指針示す

中国の来年の経済政策方針を決める中央経済工作会議が12月15日、16日に北京で開催し、2022年の経済業務を総括し、現在の経済情勢を分析して、2023年の経済政策方針を打ち出した。
2023年の経済の基本方針としては、「穏」の字を念頭に置くことを堅持し、安定した中で進歩を求めるとして、積極的な財政政策と穏健な金融政策を引き続き実施し、マクロ政策の調整度合いを広げ、各種の政策調整を強化し、力を合わせて質の高い発展を形成していくとした。また、産業政策は発展と安全をともに推進し、科学技術政策は自立自強に焦点を当て、社会政策では民生のボトムラインを保障するとした。
財政政策の持続的保障、地方政府債務リスクのコントロール、中小企業・科学イノベーション、グリーン発展等への金融支援、人民元レートの合理的なバランス水準での安定、科学-産業-金融の良性循環、人材育成と人材導入、若年層(特に大卒者)の就業促進、新しい就業形態労働者の権益保証、養老保険の全国統一、バランスが取れた医療資源の推進、出産支援、法定退職年齢の段階的延長、少子高齢化対応などに力を入れることを確認した。
会議で決定した2023年の経済政策の要点は、以下の通り。
【6つのより良き統合】
- コロナ感染の予防・制御と経済社会発展とのより良き統合
- 経済の質的向上と合理的な量的増長とのより良き統合
- サプライサイド構造改革と内需拡大とのより良き統合
- 経済政策とその他の政策とのより良き統合
- 国内循環と国際循環とのより良き統合
- 現在と長期とのより良き統合
【5つの重点業務】
1. 国内需要を着実に拡大させる
消費の回復・拡大、多様なチャネルで住民所得を増加、住宅改修、新エネルギー車、高齢者向けサービスなどの消費をサポートする。
2. 現代化産業システムの建設を加速する
製造業のサプライチェーンの強化、コア技術・部品の弱点補強、食糧、新エネルギー・資源の確保、人工知能・バイオ製造・グリーン低炭素・量子コンピュータ等の先端技術の開発・応用、プラットフォーム企業による発展・雇用創出・国際競争のリードを支援する。
3. 「2つの揺らがない」(公有制経済の揺るぎない強固な発展と非公有制経済の発展を揺らがず奨励・支持・誘導する)方針を適切に実施する
国有企業改革を深化して競争力向上、民営経済と民営企業の発展を政策・世論の面から奨励・支援、民営企業の財産権および企業家の権利と利益を合法的に保護し、社会にある不正確な議論を否定する。
4. より大きな力で外資を誘致、活用する
ハイレベルの対外開校を進め、貿易投資協力をレベルアップする。市場へのアクセスを拡大し、政府調達・入札・基準制定で外資企業の平等な参加を保障し、知的財産権や合法的な権益保護を強化する。CPTPP(TPP11)や DEPA (デジタル経済連携協定)等の経済貿易協力を加入に向けて全面的に進める。外国企業による中国での貿易投資商談に最大程度の便宜を提供する。
5. 重大な経済・金融リスクを効果的に防止・解消する
不動産市場の安定した発展を確保し、住宅の引き渡し、市民生活と安定を保障する各類業務を着実に行い、不動産業界の合理的な資金需要を満たし、M&Aを推進し、優良デベロッパーのリスクを効果的に防止・解決し、資産負債状況を改善し、違法・犯罪行為 を取り締まる。新市民、若年層等の住宅問題を解決し、賃貸市場を建設する。不動産は住居であり投機ではないことを堅持し、金融リスクを防止する。