賃借人が賃料を滞納している場合に転借人は賃貸物件を継続使用できるか?

2024. 4. 24

賃借人が賃料を滞納している場合に転借人は賃貸物件を継続使用できるか?

Q:賃借人が賃料を滞納している場合に転借人は賃貸物件を継続使用できるか?

   A:「中華人民共和国民法典」の第719条では、「賃借人が賃料を滞納した場合は、転借人は賃借人に代わってその滞納賃料及び違約金を支払うことができる。但し,転貸契約が賃貸人に対し法的拘束力を有しない場合を除く。転借人が代わって支払った賃料及び違約金は,転借人が賃借人に支払うべき賃料に充てることができる。支払うべき賃料の金額を超える場合は,賃借人に求償することができる」と規定している。

   上記の規定によれば、賃借人が賃料を滞納した場合、転借人は賃借人に代わって弁済する権利を行使して、賃貸物件の占有及び使用を継続することができる。

   この条項を適用するには、次の条件を満たす必要がある。
  1. 転貸契約が賃貸人に対しても法的拘束力を持たなければならない。一般的には、賃借人の転貸が賃貸人に承諾されているか、あるいは賃借人が転貸していることを賃貸人が知っているもしくは知りうるべきでありながら6か月以内に異議を述べなかった場合を指す。
  2. 転借人が賃借人に代わって弁済できる権利は、賃借人の不履行賃料及び違約金にのみ適用される。賃貸借の過程においては、賃貸物件の主要構造を損傷したり、許可なく賃貸物件の用途を変更したりするなど、賃借人によるその他の契約違反により、賃貸人が契約を解除したり、違約金を請求したりする場合がある。これらの場合には、転借人は弁済を代位する権利を行使することができない。
  3. 転借人が弁済を代位する場合、賃借人または賃貸人の同意を得る必要はない。また、賃借人または賃貸人が転借人に代位弁済を直接に求めることもできない。弁済を代位する権利を行使するかどうかは転借人の判断によるものとなる。
  4. 転借人による賃料及び違約金の代位弁済は、全額弁済することを基本とする。即ち、転借人は賃借人が滞納した賃料及び違約金の全額を代位弁済しなければならない。転借人が一部の賃料及び違約金だけを代位弁済した場合は、賃借人が賃料及び違約金を完済していないと見なされ、賃貸人による賃借人との賃貸借契約の解除を阻止できない。よって、転借人は賃貸物件を継続して使用することができなくなる。
   転借人が賃料及び違約金を代位弁済する場合、次のような法的結果をもたらす。
  1. 転借人が賃借人に代わって賃貸人に支払った賃料及び違約金は、賃借人が賃貸人に支払った賃料及び違約金とみなす。従って、転借人は引き続き賃貸物件を占有して使用することができる。その場合、賃貸人は、拒否したり、賃借人の賃料延滞を理由に賃貸借契約を終了したりすることができない。
  2. 転借人が賃借人に支払うべき賃料を相殺できる。
  3. 賃借人が支払うべき賃料を超える場合は、転借人は賃借人に対して償還を請求することができる。


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