タイムカード記録を訴訟証拠として使えるか?
2024. 2. 28
タイムカード記録を訴訟証拠として使えるか?

Q:パソコンに保存されているタイムカード記録を訴訟証拠として使えるか?
A:できるが、原本と照合しなければならない。
「民事訴訟法」第66条の規定によると、電子データは証拠となる法定形態に該当している。企業微信(WeChat)のタイムカード記録には、従業員の出勤や休暇などに関する情報が記録されており、労働争議が発生した際には、これらの記録を証拠材料とすることができる。
ただし、電子データは改変されやすいという特徴があるため、訴訟では元の媒体の提供を求められて照合や確認を行われることが一般的であることに注意する必要がある。「最高人民法院による民事訴訟証拠に関する若干の規定」第15条では、当事者が電子データを証拠とする場合には、原本を提供しなければならないと明確に規定されている。そのため、もし紛争が発生した場合、会社が企業微信(WeChat)や「釘釘」(Ding Talk)などのソフトからエクスポートしてパソコンに保存したデータに対して従業員が異議を唱え際に、会社が元の媒体で照合することができなかった場合には、挙証に不利な結果を負う可能性がある。
当所が把握している限りでは、現在流通しているソフトウェアによってはデータの保存期間が制限されているものもある(たとえば、標準版のDing Talkでは180日しか保存できない)。このような場合は、システムをアップグレードして保存期間を長くする以外に、いくつかの方法の変更も考えられる。例えば、一定期間ごとにシステムのデータをエクスポートし、署名や電子メールで従業員に確認させたり、または、毎月の給与明細に署名する際に出勤や残業の状況を同時に確認させたりすることも考えられる。
さらに注意すべき点は、企業がこれらのデータを保存する際にも、関連法の規定と合わせて、合理的な期間を設定しておくことが必要である。