ショートビデオ権利侵害行為に対する制裁を強化
2021. 5. 11
ショートビデオ権利侵害行為に対する制裁を強化

ショートビデオがますます若者に人気を集めている。Tik Tok、快手、ビリビリなどの有名なショートビデオプラットフォームには、「5分でわかる〇〇映画」、「〇〇分で大作映画を見ましょう」などのショートビデオコンテンツがあふれている。映画やテレビドラマの作品をショートビデオにカットしてアップロードしたり、その中のハイライトを選んで個別に編集したりすることは、コストがかからないが、数多くのファンの注目を集める効果が期待できる。
このほど、複数の動画プラットフォーム、映画・テレビ会社及び数百人の俳優が次々と声明を発表し、ショートビデオ分野に存在する権利侵害・海賊版行為に対しての管理を強く求めた。声明は、現在ネット上で発生する無許可の編集、カット、伝播などの行為に対して、集中的で必要な法的権利保護行動を開始すると表明した。ショートビデオプラットフォーム及び関連運営者が著作権保護意識を確実に高め、社会各界も権利侵害のコンテンツを積極的に通報、削除、遮断するよう呼びかけた。
法律の視点から言えば、単純に映画・テレビ作品を編集する場合、例えば2時間の映画を10分の短編映画に濃縮して原作品を紹介する場合には、当該行為はネットに公開しただけで明らかに権利侵害に該当する(公開せず、合法的に個人の鑑賞、学習、研究用のみに供する場合を除く)。または、独自の分析、解説を入れて独創的な作品に加工する場合や、複雑にカットを切り貼りして原作品と全く異なる思想や内容を独創的に表現する場合には、このショートビデオが「著作権法」に定められる「ある著作物を紹介、評論し、又はある問題を説明するために、他人が既に発表した著作物を適切に引用する」ことに合致すると認定できれば合理的な使用に該当するが、さもなければ権利侵害に該当する。
では、具体的に上記の合理的な使用に該当するか否かはどのように認定されるのだろうか。法理学的には以下3つのポイントをもって判断すると考えられる。
第一に、そのショートビデオの目的が原作品を紹介・評論するためなのか、それとも何らかの商業目的があるのか。有料サイトで公表するなどの商業目的であれば往々に権利侵害となる。
第二に、引用の度合いである。明確な比率や量は定められていないが、そのショートビデオの中で原作品の全内容や主要シーンが引用されたり、セグメントが多すぎたりする場合には、適切な引用の範疇には基本的に属さない。この判例はすでに多く出ている。
第三に、そのショートビデオが著作権者の合法的権益を損なうか否か。ショートビデオの視聴者が原作品の映画、ドラマを見る必要がなくなければ、そのショートビデオが原作品に代替され、原作品の市場を侵していることになる。
以上から、現状から見ると、現在、数多くのプラットフォームで公開されている大量のショートビデオは権利侵害になる可能性が高いと思われる。