2020年の10大裁判
2021. 1. 14
2020年の10大裁判

人民法院報は1月9日、2020年の10大裁判を発表しました。2020年の刑事、民事、行政事件のなかから、影響力が大きく、社会的注目度が高く、裁判結果に新たな展開があり、公序良俗を導く上での規範となる案件を選出したと紹介しています。
2020年人民法院10大案件
1. 虚偽訴訟に過去最大の罰金―――黒龍江省鴻基米蘭房地産開発公司による一連の虚偽民事訴訟案件。
2. 海南省最大のマフィアファミリーによる組織犯罪事件―――海南省・黄鴻発一族の犯罪案件。
3. 新型コロナ防疫妨害の典型事件―――雲南省・馬建国の防疫予防・制御員刺殺案件。
4. 国外逃亡公務員のEUから引き渡し第1号―――指名手配者・姚錦旗・元副県長の収賄案件。
5. AI(人工知能)が作成した文章に著作権保護を認めた最初の著作権利帰属紛争事件―――2018年8月に騰訊(Tencent社)は自社のウェブサイトで「午後のコメント:上海株式市場は0.11%の小幅高の2671.93に、通信運営、石油開発等が牽引」という市況情報を最初に掲載し、文末に「本文はテンセントロボットDreamwriterが自動作成」と注記し、同日、盈訊科技が自社のウェブサイトで同様の文章を公表し拡散した。騰訊側は当該文書の著作権は自社が所有するもので、盈訊科技の行為は情報ネットワーク伝播権を侵害し、かつ不正競争にあたると主張して起訴し、深圳市南山区法院は2020年1月に、当該文章はわが国の著作権法で保護するテキスト作品に属し、原告(騰訊)が主導して創作した法人作品(著作物)であると認定した。
6. 社会主義の核心的価値観を体現した典型事件―――広州楊梅(ヤマモモ)採取落下死亡案件。
7. 海外流出した文物の返還請求―――福建省の肉身座仏像返還請求案件。
8. 初の故意に自然遺跡を破損させた環境公益訴訟―――江西省三清山大蛇峰史跡破損案件。
9. 個人情報が流用されて「結婚5回、再登記困難」とされた行政訴訟―――江蘇省如東市民生局案件。
10. 中国初の知的財産権裁判での差止め命令―――華為技術公司(Huawei社)が康文森公司(Conversant社)に対する特許非侵害の確認と標準必須特許の許可を求める紛争3案件で、申請人の華為技術公司は2020年8月27日に最高法院に行為の保全を申請し、Conversant社に対して本3案件の結審判決が出るまでドイツのデュッセルドルフ地方裁判所にConversant社が華為技術公司及びその関連ドイツ会社を提訴した標準必須特許権紛争で下された一審判決の仮差止めを申し立てないように請求した。2020年8月に最高法院は、華為技術公司に相応の担保の提供を要求したうえで、必要性、損益バランス、国際礼譲等を総合的に考慮して、行為を保全する裁定を下した。
原文リンク:
https://mp.weixin.qq.com/s/-fnwJHS2k1QfJfRzJZhkFg