不正競争防止法の今後の行方
2021. 1. 4
不正競争防止法の今後の行方

先日、上海市法学会競争法研究会理事・上海里格法律事務所の首席パートナー弁護士安翊青及びシニアパートナー弁護士張駿は、上海市法学会競争法学研究会、上海市弁護士協会競争と独占禁止業務研究委員会、及び上海交通大学競争法律と政策研究センター共同で主催の「不正競争防止法実施及び改善問題に関する研究会」に招待を受けて参加し、また、安弁護士は当該研究会でスピーチをしました。
国家市場監督管理総局価格監督検査及び不正競争防止局の処長呉心旷、上海市市場監督管理局不正競争防止処の副処長李英敏、上海市法学会競争法研究会名誉会長徐士英教授、上海市法学会競争法研究会会長王先林教授、副会長黄武双教授、事務総長丁茂中教授、ユニリーバの中国地区法務総監督李磊等の上海市法学研究の専門家、及び国内海外の大手企業の代表者も今回の研究討論会に出席しました。また、上海市弁護士協会の副会長楊波弁護士及び多くの不正競争防止法業務に従事する専門弁護士も研究会に出席し、「不正競争防止法」の実施及び改善について、意見を共有しました。参加者の全員は、政策、制度、実施等の角度から、国内外の不正競争防止の研究理論及び成果も合わせて 突っ込んだ討議をしました。
上海里格法律事務所は競争法を、専門的な重点の一つとして、国内外の競争法理論及び実務について長期にわたって注目しています。
今回の研究会において、安弁護士は制度面から、中国現行の不正競争防止の宣伝普及及び法執行実務を合わせて、以下の改善をすべきと意見を述べました。実務上では、どのような宣伝行為が不正競争行為になるかについて、判断の基準を明確にしておらず、且つ法執行の基準も一致していないため、類似の案件においても異なる処罰が科されるケースがあります。従って、宣伝行為に関する不正競争防止指導を作成する必要があり、これは法執行の基準を明確にできるうえ、企業に対し不正競争コンプライアンス管理への実務上での根拠となり、企業の積極的なコンプライアンス経営へ導くことができます。
また、安弁護士は、将来の法改正時に「商業迷惑行為の禁止」を不正競争防止措置に入れるべきというアドバイスもしました。ドイツでは「商業迷惑行為」をすでに不正競争行為として、規制しています。現在中国では悪意営業に関わる法律が若干ありますが、「不正競争防止法」の角度からではありません。例えば、「インターネットEメールサービス管理弁法」は、インターネットの管理規定として、メールによる商業迷惑行為に対し、規定をしていますが、競争秩序への規制効果がありません。従って、今後「商業迷惑行為」を「不正競争防止法」に入れ、不正競争行為として規制できれば、制度上で立法の空白を埋めることが可能となります。
安弁護士の発言は参加者から好評を得ました。また、安弁護士と張弁護士は研究討論会においては、現在不正競争防止法に関わる多くの問題について、他の参加者の皆様との交流も行いました。