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    2026. 7. 23

    建設工事請負契約紛争に関する新司法解釈の影響

    Q:最高人民法院が新たに公布した「建設工事請負契約紛争案件の審理における法律適用問題に関する解釈(二)」により、主にどのような実務上の論点が解決したのでしょうか?

       A:「最高人民法院による建設工事の請負契約における紛争案件の審理に適用する法律問題に関する解釈(二)」(法釈〔2026〕12号)は、2026年6月29日に公布され、同年6月30日より施行されています。全23条から構成されたこの司法解釈は、建設工事分野において長年存在していた7つの主要な実務上の論点に焦点を当て、裁判実務におけるルール整備の必要性に対して体系的に応えたものとなっています。

       一、入札、落札秩序の維持
       「公開入札を装った事前の談合」等の不正な現象に対応するため、本司法解釈では以下の点を明確にしています。落札者が決定される前に、発注者と入札参加者が工事の範囲、請負代金額等の契約内容の実質的事項について協議・交渉を行い、その後に当該入札参加者が落札した場合には、締結された契約は無効となります。ただし、訴訟提起時点において当該工事プロジェクトが法令上の入札義務対象から除外されている場合には、人民法院は、契約締結時に入札手続が実施されていなかったことのみを理由として、当該契約を無効と認定してはならないことを明確にしました。

       二、資格借用行為の規制
       建設施工企業が自社の資格を貸与し、又はその他の方法により他者が自社名義を利用して工事を請け負うことを認めた場合、当該契約は無効となります。資格借用者は、資格借用の事実を知らない発注者に対して、直接、工事価値相当額の補償を請求することはできません。一方、発注者が資格借用の事実を認識していた場合には、各当事者による実際の履行状況等を踏まえ、人民法院は発注者が資格借用者に対して責任を負うか否かを判断することになります。また、資格借用者が資材を購入し、又は設備を賃借する等の取引を行った場合、取引相手方は、表見代理の規定に基づき、資格貸与企業に対して責任を負うよう請求することができます。

       三、農民工への賃金保障
       本司法解釈は、建設工事に従事する農民工が「農民工の賃金支払を保障する条例」に基づき、発注者、元請施工会社等に対して未払い賃金の立替払い又は支払いを請求することができ、人民法院は法令に従い当該請求を支持することを明確にしました。 

       四、工事代金の精算ルールを統一
       固定総額契約については、原則として人件費や材料費の変動を理由として契約金額を調整することはできません。ただし、「民法典」に定める事情変更(第533条)の規定に該当する場合はこの限りではありません。また、契約解除後において、既に施工済みであり、かつ品質が適合している部分の工事代金については、当該地域の建設行政主管部門が公表している計算基準で定める比率を参考にして、その割合を確定した上で、契約上の固定総額を乗じて算定することができます。

       さらに、「監査の結論をもって工事代金を精算する根拠とする」という実務上広く行われている方法について、本司法解釈は以下の点を明確にしました。監査の結果が、請負人の責に帰することができない事由により合理的な期間内に発表されない場合、又は当該監査結果が契約上の合意内容と著しく異なる場合、請負人は司法鑑定の実施を申請することができます。また、契約上、監査結果を精算根拠とする旨の合意がない場合には、発注者が一方的に監査結果を精算の根拠として主張することは認められません。

       五、契約の解除と品質責任に関する規定を整備
       契約解除後、発注者が請負人に対して施工現場および施工関連資料の引渡しを請求した場合、人民法院は当該請求を支持するものとします。また、品質保証金の返還期限は、請負人が現場から退去した日又は契約が解除された日から起算するものとします。発注者が請負人に対して補修の通知を行うことなく、直接補修費用の支払いを請求した場合、人民法院は当該請求を支持しないものとします。これによって、当事者双方に対して品質問題を実務的かつ適切に解決することを促す趣旨です。

       六、建設工事代金の優先弁済権に関する規定を具体化
       建設工事代金に係る優先弁済権の対象範囲は、請負人が施工した工事の換価代金に限定され、工事停止の損害や遊休時間の損害はその対象に含まれません。また、工事価値の相当額をもって優先弁済権を行使する場合には、以下の4つの要件を満たす必要があります。すなわち、工事品質が適合していること、当該工事が換価可能であること、発注者による支払遅延がありかつ督促を経ていること、換価金額が工事の実際の価値と概ね相当することです。さらに、工事が毀損、滅失し、又は収用された場合、請負人は、保険金、損害賠償金または補償金について優先弁済権を主張することができます。優先弁済権の行使期間については、当事者間の協議により変更された支払期日、又は精算合意書に定められた支払期日から起算するものとします。なお、工事代金債権が譲渡された場合、譲受人が優先弁済権を享有できるか否かについては、工事が竣工検収に合格しているか、代金が精算済みであるか、債権譲渡契約が有効であるか、譲受人が合理的な譲渡対価を支払っているか等の事情を総合的に考慮して判断されます。

       七、違法事実に関する手掛かりの移送強化
       人民法院は審理過程において、違法な発注、工事の丸投げ、違法な請負、資格借用、又は建設工事に重大な品質問題が存在することを発見した場合、速やかに関連する手掛かりを建設行政主管部門に移送するものとします。また、犯罪の疑いがある場合には、捜査機関へ移送するものとします。

       本司法解釈の施行は、裁判基準の統一、建設市場の秩序維持、ならびに各当事者の合法的な権益の保護において、重要な指導的意義を有しています。

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