資産を伴う持分譲渡での土地増値税リスクについて
2026. 6. 4
資産を伴う持分譲渡での土地増値税リスクについて

Q:当社は中国における事業からの撤退を計画しており、現在、全持分を譲渡により中国国内の会社に移転しようとしています。当社は設立後に国有土地使用権を払い下げ方式によって取得し、工場建物も建設済みです。耳にした情報では、持分を譲渡する際に不動産価値に基づいて土地増値税が課される可能性があるといいます。このようなリスクは実際に存在するのでしょうか?
A:ご説明いただいた状況から判断すれば、現時点では明確な法的規定はありません。しかし2000年以降、国家税務総局がいくつかの個別の事例に対して回答意見を発表したことがあります。
例えば、2000年に広西税務局が申告した事案に対して国家税務総局から「国税函(2000)687号」の回答があり、その回答には、持分を100%譲渡し、かつ会社の主要資産が不動産である場合には土地増値税の納付が必要であるとしています。同様に2009年に広西税務局が申告した事案への回答(「国税函〔2009〕387号」)では、不動産投資後1年以内に持分を譲渡し、その価格が不動産の価格と同等である場合には、これを不動産の譲渡行為とみなして土地増値税を納めるべきであると述べています。また、2011年の天津税務局による個別事案の申告に対しては、「国税函〔2011〕第415号」の回答が出され、当該事案においては譲渡人と譲受人が持分譲渡という形態を用いて土地使用権を移転したため、土地増値税の課税対象とすべきであるとされています。
したがって、御社が懸念されるリスクは確かに存在していると考えられます。
そのため、以下の通り提案します。
- 不動産の価値を正確に評価し、その価値が会社の総資産に占める割合を確認する必要があります。一般的に、この割合が50%を超えると土地増値税の課税対象となるリスクが明らかに高まると考えます。
- 会社の持分譲渡に伴って、不動産以外に事業や人員等の移転有無も関わってきます。もし事業が完全に終了し、人員もすべて整理されていた場合、残された不動産などの固定資産のみが持分譲渡に伴って移転されると見なされやすくなり、リスクも明らかに高まります。
- 譲受人の買収意図が、不動産をさらに譲渡する目的ではなく、会社を長期的に保有して経営することであるか否かが重要です。もし譲受人が持分を取得した後、短期間(通常は1年以内)に全部または大部分の持分、あるいは不動産そのものをさらに譲渡した場合、過去に貴社が持分を譲受人に譲渡した行為も疑問視される可能性があります。
なお、繰り返しますが、この問題には明確な規定がありませんので、所在地域の省レベルの税務当局が規範的な規定を設けているかを確認する必要もあります。さらに、現在、国家レベルでの税務コンプライアンスに対する要求が日に日に高まっている以上、この分野のリスクは継続的に増大する恐れがあります。もしも、貴社の基本方針がすでに決まっているのであれば、性急な対応によって高い税負担リスクを招くことがないよう、早い段階で弁護士や会計士などの専門家に相談し、事前の調査を行い、計画を立てることを推奨します。

