湖北 | 武漢仲裁委員会が仲裁規則を最新化
2023. 10. 30
湖北 | 武漢仲裁委員会が仲裁規則を最新化
「武漢仲裁委員会（武漢国際仲裁センター）仲裁規則」（2023年版）（以下「仲裁規則」という）が2023年9月1日より施行された。今回は計24条項を改正し、条項数は従来の87条から90条に増加した。今回の改正の中心的な考えとしては、仲裁の信頼性と国際競争力を高めること、仲裁の効率を向上させること、デジタル化した仲裁の利点を活かして仲裁制度の専門性を強調することにある。企業にとって明らかに変化した内容は次の通り。
- 仲裁原則の規定を充実した。「誠実協力の原則」「当事者意思による自治の原則」「合理性と合法性の原則」の3つの原則条文を新たに追加した。
- 当事者が仲裁を申し立てる際に、具体的な仲裁請求、請求を根拠づける事実、理由のほかに、根拠とする仲裁合意および仲裁条項を明示する必要があることを新たに追加した。
- 簡易仲裁における紛争金額の基準および仲裁手続変更における紛争金額の基準を100万元から300万元に引き上げた。
- 仲裁人の交代における状況を新たに追加した。任期を満了し再任用されず仲裁人名簿から除外された場合において、すでに構成された仲裁廷の仲裁人であれば責務の履行には影響しないものとした。
- 専門家の証人制度を新たに導入し、専門家証人の費用負担についても規定した。これにより、包括的で規範的な専門家証人制度が整備された。
- 審理方法に関して、必要に応じて、仲裁廷は手続の指示を出し、争点リストを発行し、仲裁前整理手続を行い、予備審問を行い、仲裁合意の範囲に関する書類を作成することができ、さらに、証拠資料の交換、確認などに関する手続を調整することもできると明記した。従来の仲裁規則に記載されていた「当事者に別段の合意がある場合を除く」という規定を削除した。
- 仲裁の効率を図るために、裁定書に電子署名や電子印鑑などのデジタル化手段を追加した。
- 裁定書の訂正と解釈は、「裁定事項に影響を及ぼす場合に限定される」とした。
仲裁制度は、民事・商事紛争を解決するうえでの非訴手続の中核であり、現在の民事・商事紛争の裁判外紛争解決手続の重要な方法となっている。武漢国際仲裁センターの設立と「仲裁規則」の改正により、同地域企業の民事・商事紛争および国際仲裁は迅速な解決が図られやすくなる。
原文リンク：
https://www.whac.org.cn/index.php/zcgz/index/type/18.html
