会社登録資本金引受登記制度に係る件
2023. 1. 13
会社登録資本金引受登記制度に係る件

Q: 会社の登録資本金の引受登記金額は多ければ多いほどいいですか?
A:「中華人民共和国公司法」(以下「公司法」という)では、会社は登録資本金引受登記制度を実施することを規定しています。即ち、会社設立時、出資検証は必要なく、登録資本金の引受登記を行うことで問題ありません。では、会社を設立するのは実際の払込資本を条件としていないので、登録資本金が多いほどいいということでしょうか?
有限責任公司の株主は会社の債務に対して有限責任を負い、自らが引き受けた出資金を限度として会社の債務に対して責任を負います。つまり、株主は引受資本金が多いほど、責任も大きくなります。登録資本金の払込期限が切れ、払い込んだ資本金が不足した場合、株主は未払込の資本金及び利息の範囲内で会社の債務に対して補充責任を負います。
会社の定款に記載されている資本金の払込期限が到来していないが、会社が債務を返済できないなどの特別な状況が発生した場合、株主が引き受けた資本金の払込期限は早まります。つまり、債権者は払込期限に至っていない株主に未払込の資本金範囲内で補充返済責任を負う権利があります。
関連する法律法規では、株主が引き受けた資本金の払込期限を早める2つの状況も規定されています。
- 会社が被執行者とし、人民法院が全ての執行措置を実行したが、会社に執行できる財産がなく、すでに破産の原因が備わっているが、会社が破産を申請しない場合。
- 会社に債務が発生した後、会社の株主総会決議またはその他の方法で資本金の払込期間を延長する場合。
上記2つの状況下において、株主の出資期限は到達していると見做され、補充賠償責任を負わなければならない。
そのため、会社の登録資本は多ければ多いほどいいというわけではありませんが、会社の登録資本は会社が対外的に責任を負う能力の程度を宣言する直感的な表現として、会社の協力相手の会社に対する第一印象に直接影響を与えます。従い、登録資本金引受登記制度における登録資本額は好き勝手に設定するものではなく、株主が実際の経営の必要に応じて登録資本を確定し、登録資本に関わるリスク、資質、税収、経営、さらには後期融資などの問題を十分に理解した上で、身の丈に合った実情に結び付け登録資本の引受登記金額を確定することをお勧めします。