会社の法定代表者が安全生産責任者?
2022. 12. 15
会社の法定代表者が安全生産責任者?

Q: 「安全生産法」は、「生産経営事業体の主要責任者は、当事業体の安全生産第一責任者であり、当事業体の安全生産に対し全面的に責任を負う」と規定しています。故に、「生産経営事業体の主要責任者」とは、会社の法定代表者を指しますか?
A:改正後の「安全生産法」の条文自体には、事業体の安全生産第一責任者・生産経営事業体の主要責任者(以下「安全生産主要責任者」という)がはっきりと定義されていないが、その職責は明確に規定されています。その内容として、①当事業体全員の安全生産責任制を確立し、健全化させ、実行することと、安全生産の標準化建設を強化すること、②当事業体の安全生産規則制度と操作規程を制定し、実施すること、③当事業体の安全生産教育と研修計画を制定し、実施すること、④当事業体の安全生産における効果ある実施を保証すること、⑤安全リスクの等級別管理制御と隠れた危険の排除・管理という二重予防メカニズムを制定・実行し、当事業体の安全生産活動を督促、検査し、生産安全事故の隠れた危険を適時に除去すること、⑥当事業体の生産安全事故応急救援対策案を制定し、実施すること、⑦生産安全事故を適時、如実に報告することが含まれています。
「安全生産法」などの法令における安全生産主要責任者の職能と責任に対する規定から、安全生産主要責任者は、当該事業体の日常生産経営において決定権を具有していることと併せて、安全生産作業を実際に全面的に指導し、責任を負うことが出来る人物であることが容易に見て取れます。
また、「安全生産分野の改革・発展の推進に関する中国共産党中央国務院の意見」第6条には、「生産経営事業体の法定代表者と実際の支配者は同じ安全生産の第一責任者である」と規定しています。元国家安全監督管理総局が発表した、安監総局令第3号文書は、「生産経営事業体の主要責任者とは、有限責任公司または株式有限公司の董事長、総経理、その他の生産経営単位の工場長、経理、(鉱務局)局長、鉱長(実際の支配者を含む)などを指す」と規定しています。
これらの法令や政策における安全生産主要責任者に対する記述と位置づけを総合的に見てみると、安全生産主要責任者とは、具体的なポジションを指すものではないことが明らかです。法令精神・会社のルールなどの合理的な根拠の下で、社内で安全生産事項に対して全面的に責任を負いうる具体的人物(達)であれば、安全生産主要責任者として定められることが出来ます。また、「民法典」の係る規定によると、法人を代表して民事活動に従事する責任者は、法人の法定代表者です。これにより、法定代表者が会社を代表して生産経営に従事する(その中にはもちろん安全生産に関することを含む)責任者として、「主要責任者」と認定するのも完全に理に適っており、ロジックに符合しています。もちろん、実務では、企業の実際の経営及び安全生産管理の状況に応じて法定代表者を主要責任者として認定しないケースも排除できません。
結論として、安全生産主要責任者は大きい概念であり、会社の法定代表者は安全生産主要責任者になる条件を備えており、行政部門に安全生産主要責任者と認定される可能性が高く、認定されやすいと考えます。
注:一部の地方規定に明確な定義がある場合は、地方規定に基づいて処理し、本文の議論範囲としません。