里格Q&A | 上海市における外資企業の家賃減免申請について
2022. 6. 16
里格Q&A | 上海市における外資企業の家賃減免申請について

Q:上海市において家屋を賃借している外資企業が、上海市の疫病に関する優遇策を利用して家賃減免を申請できるのでしょうか。
A:関連政策文書(※1)によると、外商投資企業(以下「外資企業」という)が、①生産経営活動に従事する小規模・零細企業であり、且つ②上海市、区国有資産管理委員会監督管理下にある市又は区に属する国有企業グループ(委託管理企業を含む)、及びその連結決算表に連結される傘下企業で、③その所有する経営用不動産建物や使用権を有する建物を賃借している場合、上海市の疫病に関する優遇政策を利用して、6ヶ月(最終賃借人が2022年において賃借する期間が1年を下回る場合、賃借期間に比例して家賃減免の期間を算出する。)の家賃減免を申請することができる。
ご注意頂きたいのは、外資企業が不動産の実際の利用者であるが、賃貸借契約を締結したもの(最終賃借人)が親会社である場合は、その親会社は小規模・零細企業でなければならない。
また、上海市国有資産委員会が公布した「『上海市国有企業が小規模・零細企業と個人事業主の家賃を減免する実施細則』への解説」の「03」条は、「大中型企業集団及び傘下の子会社、国有企業が最終的に賃借して経営する場合、今回の家賃減免政策の適用範囲に含まれない。」と定めている。これによれば、賃借側である外資企業が小規模・零細企業に該当しても、その親会社が大中型企業であれば、結局減免対象の要求を満たさない。
大多数の外資企業の親会社が海外の会社であり、また中国の企業区分基準(※2)に従えば、大中型企業に分類される可能性が高く、あらゆる外資企業に対してその親会社が大中型企業に該当しないことを求めるのであれば、ほとんどの外資企業は適用対象から排除されることになり、「全力で疫病と戦い、企業の発展を促進する」という政策精神にそぐわない。したがって、外資企業としては上記①~③の条件を満たすと判断したうえ、実施主体(賃貸側)と積極的にコミュニケーションをとって申請してみることをお勧めする。「一企業一策」、「一事一議」という支援原則を踏まえ、家賃減免という優遇を受けられる可能性がある。
※1関連政策文書。「上海市人民政府が文書で公布の『上海市経済回復の加速と再生行動案』に関する通知」、「市国有資産委員会による上海市国有企業家賃減免工作のさらなる改善に関する通知」(滬国資委規劃〔2022〕86号)、「上海市国有企業が小型・零細企業と個人事業主の家賃を減免する実施細則」。
※2企業区分の根拠。「統計上大中小零細企業区分方法(2017)」、「『金融業企業区分基準規定』の文書公布に関する通知」(銀発〔2015〕309号)。