不可抗力による契約の責任免除について
2022. 6. 1
不可抗力による契約の責任免除について

Q:上海で実施された封鎖措置は、不可抗力を理由に契約の責任免除を主張できるか?
A:上海高等人民法院が公開した「コロナ案件に伴う法律の適用問題に係るシリーズ問答その三」(2022年版)によると、今回の上海政府による実施した浦東及び浦西への封鎖は政府による強制的な疫病予防措置であり、不可抗力事件に当てはまる。
しかし、某契約の履行不能を具体化することにより、法律に基づいて責任免除することが主張できるかどうかは、やはりコロナ及びその予防管理措置の契約履行に対する影響度合い、因果関係、効果の大きさ及び過失の有無などの要素を総合的に考慮しなければならない。実務において、確かにコロナ及びその予防管理措置が直接的に企業の操業停止を招き、契約が履行できない場合、責任免除または部分的な責任免除ができる可能性は高い。しかし、確実に全ての責任が免除されるケースは稀である。従って、紛争になる確率の高い契約については、事前に弁護士を介入させ、対応と準備を整えた方がより効果的である。