独占行為に対し、再度高額の罰金が

2021. 10. 11

独占行為に対し、再度高額の罰金が

   2021年10月8日、国家市場監督管理総局は「美団」が中国国内のインタネット食品宅配プラットフォームサービス市場において実施している「二者択一」の市場の支配的地位の濫用行為に対し、法に基づき行政処罰を行い、違法行為の停止を命じ、違法に徴収した約12.9億人民元の独占合作保証金を全額返却させ、且つ2020年中国国内の売上高の3%、計34.42億人民元の罰金を科すことを決定した。

   本案件において、総局は、美団が中国国内のネット食品宅配プラットフォームサービス市場の支配的地位を濫用し、系統的、全面的に「二者択一」を実施した行為が、「独占禁止法」の第十七条第一款(四)項の「正当な理由がなく、取引先に対し、他社との取引を制限する」ことに関する規定に違反しており、市場の支配地位の濫用行為に当該すると判断した。具体的には下記の行為が含まれる。
  • 多種多様な手段を利用し、プラットフォーム内の経営者に独占合作協議を締結させた。①差別化した費用基準を中心として、独占合作政策を制定、実施した。②非独占合作の経営に対し、営業開始時間の遅延等の方式で、食品経営者に独占合作協議の締結を強要した。
  • 多種多様な手段を利用して、「二者択一」行為を全面的に実施した。具体的には、評価システムの構築、攻略的な“攻め”の実行、育成指導の強化、代理経営者の管理強化等の方式を通じて、「二者択一」行為を実施した。
  • 多種多様な措置を取ることにより、「二者択一」の実施を確保した。①ビックデータシステムを開発し、プラットフォーム内の経営者によるライバルプラットフォームでの事業を自動的に観測し、懲罰した。②多種多様な懲罰措置を総合的に実施し、プラットフォーム内の経営者に他のライバル企業との合作を停止させた。また、独占合作の経営者に対しては、保証金を徴収した。

   「二者択一」の行為は、ネット食品宅配プラットフォームのサービス市場の競争を排除、制限しただけではなく、プラットフォーム内の経営者の利益及び消費者の権益を損失させたと同時に、プラットフォーム経済のイノベーション発展をも妨害した。今年4月13日、市場監督管理総局、中央インタネット情報弁公室及び税務総局はインタネットプラットフォーム企業に行政指導会を開催し、アリババ、テンセント、百度、京東、美団、拼多多等の34社の企業対し、経営者に「二者択一」を強要する等の問題について、自らが全面的に検証を行い、徹底的に改正すること要求した。

   今までも、国家市場監督管理局は多くの企業の独占行為に対し、厳格な懲罰を下しており、それにはアリババの「市場の支配的地位の濫用」に対しての罰金182.28億人民元、揚子江薬業の「独占協議の実施行為」に対しての罰金7.64億人民元、天薬株式の「独占協議の実施行為」に対しての罰金4402万人民元、公牛の「独占協議の実施行為」に対しての罰金2.9億人民元等が含まれる。

   相次いでいる独占懲罰は、今後独占調査が常態化する方向を示している。今年8月30日、中央全面深化改革委員会第二十一会議は「独占禁止を強化し、公平競争政策の実施を推進する関連意見」を採択し、監督管理の法執行に力を入れ、プラットフォーム経済、科学イノベーション、情報安全、民生保障等の重点分野の法執行と司法を強化することを強調した。

   中国が独占禁止を強化し、公平競争政策の実施を推進している時代において、企業は中国による公平競争市場環境の構築への重視及び有効な市場競争の提唱に注目しており、速やかに機会を捉え、合法、コンプライアンス遵守を通じて、自らの競争力を向上させる必要があります。大企業は適時に情勢を理解し、独占禁止行為あるいは不正競争防止行為等に対し、自らが検証、規制を行い、自社のコンプライアンス管理を改善し、有効な独占禁止コンプライアンス内部体制を構築しなければなりません。同時に、業務担当者に対しは、独占禁止コンプライアンスに関する研修を実施すると共に、市場監督管理部門との意思疎通体制を構築し、主動的に弁護士等の専門家に協力を求めることをお勧めします。

   リーグは数百社の企業に質の高い法律サービスを提供してきている法律事務所で、長期に亘って独占禁止立法及び法執行に注視しており、豊かな専門知識を積み立ております。また、最新の立法動向と法執行の重点にも注視しつつ、企業におけるコンプライアンス経営の更なる向上に尽力してまいります。
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