出張の移動時間は残業扱い?

2021. 6. 15

出張の移動時間は残業扱い?

Q:使用者は祝祭日に従業員が出張で移動する時間に対して割増賃金を支払うべきか?

A:「労働法」等の関連規定に基づき、使用者は労働者と協議した上で勤務時間を延長し、かつ相応の賃金報酬を支払うことができる(第41条、第44条を参照)。また、「労働契約法」第31条の規定によると、使用者が残業を手配する場合には、国の関連規定に基づき労働者に残業代を支払わなければならない。しかし、祝祭日・休日の出張先への移動時間を残業と見なすか否かについては、現行の労働関連法では明確に規定されておらず、状況に応じて検討する必要がある。

過去の判例によれば、裁判官は従業員が出張先との移動時間に具体的な仕事を手配されたか否か、本業の範囲内の労働を提供したか否かなど、具体的な状況に応じて自由裁量を行うことが多かった。一般的には、移動時間と残業には本質的な違いがあり、前者は仕事の準備のための時間であり、従業員は時間を投入する以外に具体的な業務に精力を投入する必要はない。後者は、時間だけでなく、従業員は特定の業務を遂行するために精力を投入する必要がある。したがって、従業員が非業務日に出張し、かつ、作業を行った場合には、使用者は、状況に応じて、代休を手配するか割増賃金を支払う必要がある。一方、従業員が非業務日に出張先との移動や目的地で休憩して待機するだけであれば(使用者は具体的な仕事を手配していない)、残業には該当せず、使用者は代休を手配したり、残業賃金を支払う必要はないと考える。

しかし、おそらく実務においての状況はより復雑であり、リスク管理の角度から以下のアドバイスを提示する。1.社内規定制度で出張先との移動時間を残業と計算しないことを明確に規定する。2.従業員に出張手当を支給し、従業員の出張先との移動時間に一定の経済的補助を支給する。3.争議を避けるために、出張先との移動中の従業員には具体的な業務を手配しない。

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